合格した人は全部で10人だった
県内初のご当地アイドルだったから、次の日の朝刊に姉の写真が載ったり、地元のテレビにインタビューされたりしていきなり芸能人になったみたいだった
自分で勧めたけど少し不安になってしまった
そのあと母さんがテレビで見つけてめっちゃ怒られててワロタ
言っとけよwww
自分で同意書書いたらしい
まあなんとか母さんを説得してアイドルになった姉は
土日は家にいなくなった
金曜日も練習だったし、他は塾とか学校だしで、姉とはあんまり会えなくなった
日曜日は家でアニメの録画を一緒に転がってみていたのに
定期予約していた録画は溜まっていった
イベントに出だした姉はアイドル活動についてたくさん話してくれるようになった
今日は新しい曲がのレコーディングしたよ、とか新しいダンスみてー、私のグッズあげる、とか言ってきた
本当に楽しそうで少しずつ俺も現場へ足を運び出した
少ない小遣いで内緒で姉のグッズも買ったりしてた
勧めてよかったんだなぁ、と思った
クソビッチになってしまったん?
とりあえずどこの県だよ
ん~、西日本!
そんなとか
次第に姉の話にはファンの話が増えていった
ここから姉は少しおかしくなっていく
最初はなんとかさんが今日は三回も写真撮ってくれたよ、とか話してくれたんだが次第に、もっと話したいなぁ、って言ったら何回も来てくれるようになったよ~、とか言い出した
そして現場に行ってた俺には現場で姉を応援している人とも話すようになった
ちゃんと姉ってことは隠してるけど
すると、姉のチェキ会は評判がよいときいた
ボディタッチが多い
胸がたまにあたる
また来て~、とかいって甘えてくる
俺は信じられなかった
一緒にアイドルとツーショットをチェキで撮れる
ポーズは自由に考えれる
でもこちらからの過剰なおさわりは禁止
ほぼ握手のみ
姉に聞いてみようと思った
イベントから帰って姉の帰りを待った
11時くらいに姉は帰ってきた
俺「姉ちゃんのチェキ会評判いいみたいだけど、ちょっとボディタッチ多くない?」
姉「だって喜んでくれるし…喜んでもらいたいもん」
俺はなんて言っていいか分からなくて
「そうだよね」といって寝た
イベントが終わってチェキ会になると俺はすぐ帰ってたんだが、今回は様子をみるために残った
するとおっさんの腕に抱きついてピースをしている姉ちゃんを見つけた
人生で一番泣きそうだった
でももう姉に何て言えばいいか分からなくて言うのはやめた
そして最悪のイベントが訪れる
ランク付けである
新メンバーも入っており大所帯になっていたので姉はみるからに必死になっていた
姉はいままで以上にダンスをがんばっていた
しかしそれ以上にチェキ会の対応に力をいれていた
「もっと話したいなぁ」「 ◯◯さんと撮るときこのポーズしよって考えてたよ」「内緒だけど◯◯さんのニコ生聴いちゃった」
こんな姉の声が聞こえてくる
姉は、家では寝る時間も削ってファンのTwitterやブログをチェックしたりTwitterで複数アカウントをつくってファンの好みなどをチェックしだした
そのときの現在順位は10位くらいだった