菜々緒が下まで階段から転げ落ちていた
マジかよ…って思いながら急いで側に行ったが
頭から血は流れてるし、意識もなかった
名前叫んでたらアパートの人が出て来てくれて、救急車呼んでくれた
俺は混乱しながら仕事で習ってるとおりに心肺蘇生してた
救急車来て、病院付き添ってたら警察がきた
どうにもアパートの住人が通報してたらしい
菜々緒の親が来てくれたから俺は警察と一緒に病院を後にしてアパートに向かった
菜々緒の親には滅茶苦茶睨まれた
アパートで警察に色々聞かれたけど半信半疑なのはすぐわかった
まあ「幽霊に怖がる女性の部屋に来たら急に怖がって逃げて階段から転げ落ちました」
なんて普通なら疑うだろうし、
菜々緒の恰好見たら俺が無理矢理何かしようとしたと思われてもおかしくはない
一応ラインの履歴とか見せて事実確認だけして帰らされたけど、また呼ぶかもとは言われた
もしかして殺人容疑でもかけられるのかと不安になったが意外とすぐにそれは晴れた
アパートの住人の証言とか、階段の落ち方とかで俺は一先ず犯人ではなく、
事件は菜々緒の転落死になったそうな
俺としては良かったが、わからないままなのは菜々緒が何にあんなに怯えていたのか
部屋にいたときに起きていたのは何だったのか
もうわからないけれど
友達内でも酒の場で話には出たけど、誰かのイタズラとかでもなく、
俺をはめようとしたドッキリとかでもないらしい
何とも煮え切らない感じだったけど、そんな話し
で、面白くないオチは2つあって
これが本題
一つは夜に菜々緒の部屋(女の部屋)に行ったことに彼女がすごい疑いの目を持ったこと
そりゃそうだろうが全くの誤解だと伝えて何とかフラれるのだけは回避した
そんでもう一つ
面白くないと思うが俺としてはヤバい
ヤバすぎて誰にも言えてないんだけど、菜々緒の部屋に入ったとき
リビングの電気を付けて部屋に手を伸ばしながら菜々緒の方を向いたとき
誰か、あるいは何かに伸ばした手を掴まれたんだよ
二の腕と手首の辺りを掴まれた感じ
正直、は?って思った
やっぱり菜々緒達のドッキリか?とか
強盗でもいんのか?とか一瞬の間に色々巡らせたけど
そんなん吹っ飛ばす勢いで菜々緒が叫んで駆け出していった
だから俺もリビングを見ることなく、正直逃げ出すように外に出てた
そんで転落事件に至る
正直あれが何だったのかはわからないし、確認しようがない
実はビビってた俺が感じた気のせいかもしれない
でも、未だに掴まれたあの感覚と叫んだ菜々緒の顔は忘れられない
友達には話してない
怖がられそうだし、興味持った奴がアパートに行こうとか言いだしそうだから
俺の話はそんだけ
ここで話せて少しだけスッキリした
知人に話せないままで何となく苦しかったんだ
読んでくれた人がいたらありがとう