介護の仕事をしていた俺が精神崩壊した→その後・・・

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36 :名無しさん@おーぷん :2016/03/27(日)01:40:19 ID:aWy
「俺とヤクザ先輩」
ヤクザ先輩は俺が入社する前からいた、俺を除けば唯一の男性だった先輩。
見た目かなり強面のチンピラみたいな感じなんでこの呼び名に。
ごめん。
でも見た目も態度もかなり厳ついので、初対面でこの人が介護の仕事やってるなんて思う人は存在しないと思う。
ヤクザ先輩には、入社して二ヶ月くらいかな?いきなり電話で呼び出された
その時は驚いたよ。1度も話したことないし。
ヤクザ先輩「もしもし?ああ、こんばんは。○○です。突然だけど、出てこれる?家の前まできてるから」
俺「」
このときの感想は「シメられる!!?」……でしたwww
てかなんで話したこともないのに家知ってんだよ!怖すぎでしょ!?

37 :名無しさん@おーぷん :2016/03/27(日)01:41:20 ID:eYJ
–良スレ–

38 :名無しさん@おーぷん :2016/03/27(日)01:48:04 ID:aWy
結果。
実はヤクザ先輩とベッキーが付き合い始め。
まだ2人でいるのが多少気まずいのと、ベッキーが気を利かして「ヤクザ先輩と>>1くんの親睦を深めて貰おう!!」というのが発端だったようです
結構それから何度も連れ回されました
ヤクザ先輩は車にこだわりのある今時のヤクザ。すごい男らしい趣味です
ちなみにヤクザ先輩と仲良くなったのは半年後。
男同士2人で、下ネタや恋バナをしてるうちに仲良くなりました。
最初は口数少なくクールで怖い人だなって印象だったけど
仲良くなると普通にチャラい、普段とかなりギャップがある人だと気付いた。
まあでも、機嫌悪いとホントヤンキーで怖いんですけど
必殺技は連絡網に出たときの「……誰?(低音)」ボソッ
俺「いいかげんちゃんとみんなの番号登録して下さい!www」
ヤクザ先輩「面倒くさいんだよ……w」
新人さんが被害に合って怯えてしまうという超迷惑な必殺技

39 :名無しさん@おーぷん :2016/03/27(日)01:48:04 ID:x77
そんなに精神崩壊してなくない

40 :名無しさん@おーぷん :2016/03/27(日)01:50:06 ID:u8j
まだ慌てる時間じゃない

41 :名無しさん@おーぷん :2016/03/27(日)02:00:31 ID:aWy
「俺と女神先輩」
俺「お疲れ様でーす」
「お、女神の大好きな>>1くんが来たよ!」
女神「ちょっと、やめてよも~www」
俺「俺も女神先輩大好きですよwww」
女神「こらwww」
半年もすると、自他共に認める仲良しコンビになってた俺達。
でも女神先輩は前述のように面倒くさい一面もあるため、ちょっと言い争いや怒らせたりすると1週間くらい口聞いてくれないということも
巨乳「>>1くんよく女神先輩と仲良くできるねー」
ベッキー「ウチは苦手だなー」
俺「そう?優しくていい人だよ」
ヤクザ先輩「俺も嫌い」
ベッキー「結構面倒くさいよね、あの人」
俺「その面倒くさいとこ含めて好きだなー」
巨乳「>>1くん変わってるねwww」
しばらくすると、女神先輩の機嫌悪い日は
「>>1くん、女神先輩どうにかして!」
と頼まれるようになった。
機嫌が治るか、喧嘩になるかの二択である

42 :名無しさん@おーぷん :2016/03/27(日)02:08:22 ID:aWy
「俺をリーダー」
さっき書いた通りリーダーは有能だ。
俺はその背中を追って突き放されないように必死でついてく。
リーダーから学んだことは数しれない。
利用者への接し方。
リーダーは利用者の笑顔を引き出すのか上手い。
抜群のトーク力もあるし、自分が道化になって笑わせる。
厳しいがそれは仕事に対して真剣なだけで、それに気付いてからは何を怒られても素直に従うことが出来る人だった。
人に言う以上に自分が動いてるので言葉に説得力がある。
これは上に立つ人にとってかなり大事なことだと思う。
それに面白いジョークで場を和ませてくれたり、茶目っ気のある人だから周囲の信頼も厚い。
リーダー「>>1くん、コーヒーいれたよ」
俺「ありがとうございます!ホント、リーダーのコーヒーは一番旨いですよ!午後も頑張ります!」(本音だよ)
リーダー「あんたも口が上手くなったねーwww」
そういいながら満更でもないように働くリーダーの背中を追いかけていたあの頃の自分は、情熱的で燃えてましたね

43 :名無しさん@おーぷん :2016/03/27(日)02:11:28 ID:aWy
2年目
早いもので一年が経過。
厳しい上司の下で働き、利用者もかなり個性豊かでたくさんの経験をしたためこの時点で3人共かなり成長していたと思う。
そして春といえば、新入社員。
俺達についに後輩が出来るのだ。
俺達3人は誓い合っていた。
「自分達が辛い思いをした分、後輩が入ってきたら支えて、力になってあげよう」

44 :名無しさん@おーぷん :2016/03/27(日)03:10:28 ID:KZ3
介護の仕事はしたことないし体験もないけど、おもしろくて一気に読んだよ。徘徊のところ参考になった。

45 :名無しさん@おーぷん :2016/03/27(日)03:26:37 ID:aWy
そういうわけで待望の新入社員。
今年も3人、みんな女の子だった
1人はヤンチャそうな女の子。ベッキーと同類な感じだったな、すぐ意気投合してたし
1人は寡黙な女の子。多分腐女子。コミュ力微妙。俺と同じ高校だったらしい
1人はクールで背の高い美人。物静かだが、コミュ力がないわけじゃなく普通に会話できる。前述の2人は俺達の1個下だが、この子は同い年だ
ヤンチャ→エヴァ子(チャラい今時の女の子だけどエヴァ大好きだったから)
寡黙→腐女子
クール美人→ノッポ(実際にヤクザ先輩がそう呼んでた)
でいきます

47 :名無しさん@おーぷん :2016/03/27(日)03:35:41 ID:aWy
後輩もでき、春。
俺達の予想通りに後輩達は一ヶ月でかなりフラストレーションが溜まってたみたいだ。
6人で食事をし、すぐに仲良くなった。
仕事方面はまあ順調。
一年でかなり上司とも信頼関係が出来ていたので、俺達に対する風当たりは去年に比べるとかなりマシ。
その分後輩達が標的になっていて、俺達3人は出来るかぎり後輩を庇った。
後輩達は結構世渡り上手で、何を言われても頑張って、黙々と仕事をこなした。
エヴァ子はコミュ力高いから上司にも気に入られるのは早かったし、腐女子とノッポは寡黙だが仕事の出来る子達だった。
あと、俺達の時にかなり理不尽だった上司数名が後輩達が入った時点で辞めていたのもデカい。
ベッキー「なんか3人とも優等生って感じだよねーwww」
俺「確かに。てか俺達が生意気過ぎたんじゃねwww」
巨乳「ウチらも変わったよね~」
結果的に、後輩達3人は俺達が過保護にならなくても優秀だったみたいだ

50 :名無しさん@おーぷん :2016/03/27(日)03:46:19 ID:aWy
利用者達も一年で変わった。
より病院が重くなっていく。最初はのんびり職員と料理をしていたものだが、そういう事が出来る人はいなくなった。
急変して亡くなったり、一年でガクッと身体機能などが落ちてしまったり、家族の都合で他の施設に行ってしまったりなど。
一年たつと、ホールの雰囲気はガラリと変わっていた。
普通はグループホームってそんなに人の移り変わりはないんですけどね、この年は特別だったと思う。
ただひとつ、症状の重い方は滅多なことがなければずっといる……と言える。
軽い方の場合は年齢にもよるが生活しているうちにそれがリハビリになって、家族の所へ帰ったり小規模や他施設のデイサービスに移ったりする。
しかし、症状の重い方は本当に本人が頑張らないと良くなるというのは滅多にないので、移動はまずない。家族も慣れた施設にいてくれれば安心だしね。
そういうわけで、そういった方が長生きする限りずっと介護していくこととなる。
俺自身も、利用者様には愛着があるし、そう意味でも人の移動が少ないグループホームで働いてるんですけどね

51 :名無しさん@おーぷん :2016/03/27(日)03:54:27 ID:aWy
その頃、かなり徘徊が激しい方がデイサービスで入ってきた。
男性なのだが、とにかく帰宅願望が激しい。
その人はデイサービスで朝から夕方までいるのだが、本当にその間ずっと出口を求め歩き回る。歩き回る。座る時間は昼食時のみで、それも徘徊が激しいと昼食すら口にしない時もある。
男性の利用者ってのは、ガリガリじゃない限りパワーが凄い。
ヒョロっとした女性利用者でさえ、理性というリミッターが外れると信じられないくらいの力を発揮するのに、筋肉のついてる男性は更にだ。
彼はそんな、パワーの有り余ってる男性利用者。
毎日出口を求め彷徨い、隙あらば速攻脱出!!認知症であり話したことはすぐ忘れてしまうのだが、流石は地元民。家まで真っ直ぐ帰ることが出来る。
(この人が特別なだけで、普通は重い認知症だとまったく道がわからないはずです。でもこの人は徒歩30分の家までの道のりを真っ直ぐ帰ってしまいます)

52 :名無しさん@おーぷん :2016/03/27(日)04:06:42 ID:aWy
そんなわけで施設内は日中もかなり慌ただしい感じに。
全ての窓、出入口に鍵をかけ、閉鎖的になってしまった。
去年は利用者が不穏で外に出たいと言えば少し散歩してみたり、少し時間があけば頻繁にドライブや買い物などに行ったりしたものだが……
去年よりホール内の人も手がかかるので人手が前よりも足りなくなり、その男性利用者さんの登場で悪循環的に更に慌しくなってしまった
本当に強いもので、少しでも出入口が空いてれば間髪入れずに外に出てしまう。そういう場合は職員数人がかりで引き止め、気付かけなければ自宅の奥さんから「なんか帰って来たんですけど……」とデスコール。
裏庭から、隣の家の柵を乗り越えてまで脱出……なんてのもあったなぁ。
本当にアクティブな人だった。
ちなみにどの時代も、そんな感じに外への脱出を図る人が何故か絶対にいるので、今もウチの施設は閉鎖的です。
嫌ですね。利用者さんの安全を考えると仕方ないんですけど、やっぱり多少の開放感がないとスタッフも利用者も息が詰まってしまう
いつか改善したいものです