200 :名無しさん@おーぷん :2016/04/03(日)19:25:19 ID:Fyx
ジオングループのスタッフは、何があっても利用者に強い口調は絶対に使わない。
……俺は、悪魔さんに対してだけは末期に強い口調を使ってしまうこともあったけど。
本当に、なんでこんなことになっているのだろう。
連邦グループスタッフが、とりあえず仕事が終わればいい、みたいな言葉を使う度、胸が傷んだ。
201 :名無しさん@おーぷん :2016/04/03(日)19:34:37 ID:Fyx
原因としては、悲しいことにリーダーにあった。
でも、彼女だけのせいではない。
前レスで、これまでの連邦グループが結構荒れていた、と書いたが、きっとその長い期間でのストレスがリーダーを蝕んだのだろう。
その頃連邦グループがどんなに荒れていたかは、その時に働いていた人に良く話を聞いていた。
新人職員の度重なる入れ替わり。中にはアスペさんみたいな人もいただろう。
新人教育にはリーダーも施設長からかなりの信頼があるので、大半はリーダーに任される。
連邦グループでそこそこ長く続けているオバサン達の、新人への攻撃等にも色々頭を悩ませていたのだろう。
そういった数々の要因がリーダーを蝕み、人を変えてしまった。
そして、リーダーの方針は下にも影響する。そういった余裕のない姿を模範にしてしまうと、誰か支える人がいない限り、どんどん悪循環になってしまうのだ。
……非常に悲しいことだった。
俺が入った頃から、「この人過労死するんじゃね?」と思ってしまうぐらい、連邦グループに尽くしていたリーダー。
少しでも助けになれるように……と俺も努力した
しかし、様々な要因があったとしても……この顛末は悲しすぎる
この人は本当に介護が好きで、誰よりも働き、下の人間の模範になったのだから。
202 :名無しさん@おーぷん :2016/04/03(日)19:41:18 ID:Fyx
とりあえず、リーダー含めみんなの負担が減るよう俺もたくさん働いた。
この惨状をみて俺も昔の情熱が少しは戻ったのだろう、どんどんやる気が満ちる。
もちろん俺1人の力なんかではないが、連邦グループも少しずつそれから余裕が生まれるようになってきたと思う。
こういうケースだと、まず通常業務を速攻片付けることから始めるのだ。
そうすることで職員は業務へのプレッシャーが軽減され、利用者さんにしっかり目を向けられる。
203 :名無しさん@おーぷん :2016/04/03(日)19:53:08 ID:Fyx
ある時、リーダーと2人だけの日勤があった。
意を決して、リーダーに向き合う。これは、リーダーを傷付けてしまうかもしれない。けど、言わないと何も変わらない気がしたから
「リーダー。あの、今のリーダーって、昔と全然違いますよね」
思っていたことを全て、リーダーに話した。
言葉に気を付けながらも、自分の思いをリーダーにぶつけた。
「……そっか。やっぱりそう見えちゃうか……」
初めて、リーダーの涙を見た。
リーダーはしばらく泣いた。今まで辛さ。誰にも言えなかったという溜め込んでいたことを、たくさん話してくれた
「ありがとう。>>1くんのおかげでスッキリした」
最後にリーダーは笑った。
それから、リーダーは少しずつまた元のリーダーに戻っていく。
もちろん、簡単には解決しない難しい問題だ。けど、これからはリーダーが苦しみそうになったらしっかりフォローし合う。
リーダーとの話を他の人に言ったわけではないが、自然と暗黙の了解になっていったと思う。
他の人も各々、きっとリーダーのことを気にかけていたと思うから。
そうして、少しずつ連邦グループは前に進み始めた。
口が悪い所など、変わらないことはあるけど、それでも最悪の状況は免れたと思う
204 :名無しさん@おーぷん :2016/04/03(日)20:03:02 ID:Fyx
ここまでが連邦グループ内の内情。
ここからは、俺が立ち直って行った話になる。
リーダーとの話をする少し前。
連邦グループに移動してから2ヶ月後くらいだろうか。連邦グループは新しい利用者さんを迎えた。
男性で、移動は歩行器等必要としベッドからの起き上がり等は介助が必要だが認知症状は少なめで、脳はかなりしっかりしている方。
元々はジオン小規に少しの間泊まっていたのだが、しっかりしているからこそ職員の対応に不満があったらしい。
施設長「そういうことだから、今度は粗相のないようにVIPでお願いね」
と言うことだ。
その人は地元ではかなり有名な偉い人で、とりあえずここはでは会長と呼ぼう。
ネットでも名前を検索したらすぐ出てくるし、彼のエピソードも見れるため特定防止のため色々ぼかして書く
彼が来る日、丁度俺は夜勤だった。
不安はあるが、しっかりしてる人なら話はちゃんと通じる。こちらに問題がない限り大丈夫なはずだ、と気を引き締める
205 :名無しさん@おーぷん :2016/04/03(日)21:16:40 ID:CNP
1は立派だ……
同じ業界で働く人間として尊敬する
206 :名無しさん@おーぷん :2016/04/06(水)06:04:42 ID:SX8
>>1乙
俺も同業で職員間のトラブルに頭抱えてるから気持ちわかる
207 :名無しさん@おーぷん :2016/04/06(水)21:36:27 ID:52c
その日は何事もなく終わった。
それから、日々お世話をしていくうちに会長も徐々に俺を信頼してくれて、仲良くなっていった。
こう言ってはなんだが、意思疎通できるしっかりしている利用者さんの介助はやりがいがある。
そんなふうにして時間がすぎるうちに、
「ああ、介護ってこんなにやりがいがあったんだっけな」
と忘れていた気持ちを思い出せたんだ
208 :名無しさん@おーぷん :2016/04/06(水)21:42:53 ID:52c
やりがいを感じれば、仕事にも活気が出る
良い流れは続くもので、俺の夜勤の日、また緊急で新しい利用者さんが来た。
その人は元々ある程度自立していた人だったが、医者に処方してもらった眠剤が思ったより強く、歩行が困難になってしまったため家族がウチの施設に連れてきた、というもの。
娘さんとその旦那さん、その人の奥さんも見え、心配した奥さんは一緒に泊まっていったのだが、俺も丁寧に対応した
わりと信頼してくれたらしく、以降家族の方が俺を見る度に
「>>1さんが夜勤なら今日も安心です」
と声をかけてくださるようになった。嬉しかったよ
209 :名無しさん@おーぷん :2016/04/06(水)21:46:16 ID:52c
それ以上に嬉しかったのは、その人は認知症状もあるが人の顔ぐらいは覚えたりできるのだが、歩行状況が回復して小規に移ったあと
俺「〇〇さん、こんにちは」
他職員「あれ、この人は誰でしたっけ?〇〇さん?」
〇〇さん「んー、友達」ニコッ
と笑ってくれたこと。小規に行ってからも俺が通りかかると、「やあ」と笑って挨拶してくれるのが、とても嬉しかった
210 :名無しさん@おーぷん :2016/04/06(水)21:47:38 ID:ZBQ
この仕事への意欲になる。
支援あげ
211 :名無しさん@おーぷん :2016/04/06(水)21:51:17 ID:52c
他にも、小規模から一名、認知症状が少ない女性がグループに移ってきたりして。
その人とも色々和気あいあいと仲良くしながら、介護のやりがいを実感していた
ここの仕事は楽しい。
後は職員がなんとかなればなー、と少しの悩みが残るくらい
212 :名無しさん@おーぷん :2016/04/06(水)21:56:39 ID:52c
会社の飲み会などでは、ジオングループの人とも顔を合わせる
「早く戻ってきてね、待ってるよ」
と声をかけられる度、俺も苦悩する。
ジオングループにはいつか戻りたいとは思っている。
でも、逃げ出した俺が戻って、なんとかなるのか?
連邦グループの利用者も好きになった。だからこそ、悩む
ジオンに戻っても、俺はまた同じことを繰り返すかもしれない
けど、ジオン職員が辛い思いをしている中、ずっとヌクヌクとしていて良いのか?