ベートーベンが俺の部屋にやって来たんだが・・・

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36: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/03(金) 21:47:45.47 ID:Lg308zcI0

ベートーベン「友達ってのは別に人間に限った話ではない」

俺「はあ」

ベートーベン「例えば…私にとっては自然が友達だ」

俺「そんなんでいいんですか…」

ベートーベン「いいんだ。私はシラーの詩をそう解釈した」

俺「(勝手な話だな…)」

ベートーベン「だが妻は別だな」

俺「え?」

ベートーベン「妻はちゃんと人間の女じゃないといかん」

俺「(くっ…アニヲタの俺には耳が痛い…)」

 

37: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/03(金) 21:48:31.38 ID:Lg308zcI0

俺「ん?待てよ…確かあなたも独身じゃなかったですか?」

ベートーベン「そうだ」

俺「妻どうこう言う権利はないでしょう」

ベートーベン「馬鹿を言え!私はまだ諦めていない」

俺「え?」

ベートーベン「56だがまだまだいつか理想の妻にめぐり会えると思っている」

俺「(…来年死んじゃうのに…)」

ベートーベン「お前も若いうちから諦めるな」

俺「いいんですよ…俺の嫁はエーリカだから」

ベートーベン「エーリカ?」

俺「(あ、しまった…)」

 

39: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/03(金) 21:49:18.83 ID:Lg308zcI0

俺「…この娘ですよ」

ベートーベン「何だこれは?絵か?」

俺「まあアニメって言って…。こういう動く絵みたいなものです」

ベートーベン「絵が動くのか。凄いな」

俺「で、この子がエーリカ・ハルトマンって言って…(う…大作曲家相手に何言ってるんだ俺は…)」

ベートーベン「これは人間か?鼻がないようだが」

俺「…まあこういう絵なんですよ。これが僕の嫁みたいなもんです」

 

42: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/03(金) 21:50:10.11 ID:Lg308zcI0

ベートーベン「変わってるな」

俺「現代日本じゃわりと普通の話です…」

ベートーベン「何で下着丸出しなんだ?」

俺「いやそれは下着じゃなくて…まあいいや」

ベートーベン「?」

俺「(そうだ、ドイツ語字幕のアニメ何かなかったな…)」

 

43: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/03(金) 21:51:15.09 ID:Lg308zcI0

俺「あ、エヴァがあった」

ベートーベン「ん?」

俺「これ…もしよかったら作曲中の気分転換に見ててください」

ベートーベン「何だこれは?」

俺「エヴァンゲリオンっていう…まあドイツ語字幕付いてるんでわかると思います」

ベートーベン「ほう」

俺「これ、全26話まであるんで…」

ベートーヴェン「凄いな。本当に絵が動くとは…」

俺「じゃ、俺大学行ってくるんで…」

ベートーベン「…」

俺「(めっちゃ見てる…)」

 

44: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/03(金) 21:52:09.99 ID:Lg308zcI0

俺「(はあ…大学終わった…)」

俺「(きょうも安定のぼっちだった)」

俺「(家にあのベートーベンがいるってのに自慢する相手もいない…)」

俺「(…まあ言ったところで痛い奴扱いされるだけか)」

俺「(作曲終わったかな…)」

俺「ただいま…」

俺「ん?全然進んでない…」

俺「げっ!まだエヴァ見てる!」

 

45: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/03(金) 21:52:56.43 ID:Lg308zcI0

ベートーベン「…」

俺「ちょっとベートーベンさん!作曲は?」

ベートーベン「邪魔だ、あっちへ行け!」

俺「(超ハマってるよ…)」

 

47: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/03(金) 21:53:32.24 ID:Lg308zcI0

俺「(もう夜の11時なのにまだ見てる…)」

ベートーベン「…」

俺「あのー、俺もう寝ますからね」

ベートーベン「…」

俺「(26話全部見る気か…?)」

ベートーベン「…」

俺「あ、そうだ…パン買って来たんでここ置いときますね」

ベートーベン「…」

俺「(…寝よう)」

ベートーベン「…」

 

48: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/03(金) 21:53:43.25 ID:ivoHoqKF0
展開に期待

 

49: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/03(金) 21:54:05.51 ID:uhPrkJ8q0
ロボットとかよくわからんだろうに

 

52: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/03(金) 21:54:52.56 ID:Lg308zcI0

俺「ふああ…よく寝た」

ベートーベン「zzzzz」

俺「あ、ベートーベンさん…寝てる」

ベートーベン「zzzzz」

俺「結局エヴァ全部見たのか…」

ベートーベン「zzzzz」

俺「ん?」

 

55: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/03(金) 21:55:49.80 ID:Lg308zcI0

ベートーベン「zzzzz」

俺「げ…曲が書いてある!」

ベートーベン「zzzzz」

俺「すげえ…いつの間に…」

ベートーベン「ん…うむ…」

俺「あ…おはようございます」

56: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/03(金) 21:56:48.06 ID:Lg308zcI0

ベートーベン「ふああ…よく寝た」

俺「曲できたんですね」

ベートーベン「いや、こいつは叩き台だ。これから推敲するんだ」

俺「へえ…」

ベートーベン「モーツァルトと違って何度も書き直す。それが私の作曲法だ」

俺「エヴァはどうでしたか」

ベートーベン「いやあ、凄いものを見た。見終わって曲想が浮かんで一気に書き上げた」

 

59: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/03(金) 21:58:35.12 ID:Lg308zcI0

俺「ああそうだ、最後カヲル君が歌ってたのは第九なんですよ」

ベートーベン「そうなのか?」

俺「リリン(人類)の生み出した文化の極みって紹介されてます」

ベートーベン「そうか…今ほど耳が聞こえないことを恨んだことはない」

俺「大げさだなあ…ちなみに今これ書いたのなんて曲ですか」

ベートーベン「弦楽四重奏曲第16番の第1楽章にする予定だ」

俺「(弦楽四重奏曲第16番第1楽章…youtubeで聴いてみるか)」

 

60: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/03(金) 21:59:41.21 ID:Lg308zcI0

俺「(…優雅な曲だな)」

俺「(やっぱすごいなこの人…一晩でこれを)」

俺「(しかしこの曲が俺の部屋でエヴァ見て作られたとは…世界中の誰一人知る由もないだろう)」

 

62: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/03(金) 22:00:31.64 ID:Lg308zcI0

俺「そういえば…例の青い渦は現れませんでしたか」

ベートーベン「いや、昨夜2回ほど現れた」

俺「え!?」

ベートーベン「エヴァンゲリオンを見たかったんで放っておいた」

俺「…」

ベートーベン「まあ、また現れるだろ」

俺「(めちゃくちゃだよこの人…)」