黒魔術の被害にあって生霊に苦しめられた人間の末路・・・

【PR】Akogare


224:名も無き被検体774号+:2012/03/18(日) 10:52:59.76 ID:l5Tzqzdl0
追いついた!
盛り上がってまいりました!!

225: ◆gKWfLXJsS. :2012/03/18(日) 10:57:37.60 ID:+0sQYsXA0
何かジジイのこと嫌いだったんだけど、そのやり取り見てたら泣けてきた。
金でしか人との関係を繋ぎ止めることの出来ない悲しいジイサンとは思ってたけど、
不憫で仕方なかった。
寄り代は父親の元へ這いつくばりながら寄っていった。
そして涙でぐちゃぐちゃになった顔で、父親の手を握りしめ、
「ごめんな。ごめんな。苦しい思いばかりさせてごめんな。
許してもらおうだなんて思わない。ただただ申し訳ない。」
と謝り続けた。
霊媒師が言う。
「父親さんは人よりも尋常じゃない霊感をお持ちだ。
貴方は祖父を恨んでいる。強い霊感をもった人に恨まれた霊は決して成仏することはない」
俺と弟は( ゜Д゜)ポカーン
「祖父が成仏するには貴方が心から許してあげることが必要なのです。」

226: ◆gKWfLXJsS. :2012/03/18(日) 11:03:41.07 ID:+0sQYsXA0
父親は涙を溜めながら「親父分かったよ。もうこの事は水に長そう。
だから安らかに眠ってくれ。」
とジジイに話しかける。
そしてそのやり取りを一頻り確認した霊媒師はまた祭壇へ向き直り、
先程より強い口調でお経を唱える。
霊媒師はお経を唱える合間にジジイの魂を鎮める言葉を織り交ぜる。
寄り代はジジイの涙を流しながら手をあわせ、ジジイは静かに浄化されていく。
冷静に客観視することが不可能なその雰囲気に圧倒されながら、
俺も手をあわせジジイの浄霊を祈る。
それから十分程お経は続き、ジジイの魂は静かに召されていった。

228: ◆gKWfLXJsS. :2012/03/18(日) 11:07:37.20 ID:+0sQYsXA0
終わった、のか…!?
そんな空気を俺一家を包む。
ジジイが死んでからその間約10年。漸くジジイは成仏することができたのだ。
むしろ10年もの間、ジジイの魂を怨みで縛り上げた父親の執念にも驚いたけど。
しかし霊媒師はそんな安堵の空気をバッサリと切るように言った。
さて、次が本命。
これは一番厄介。お稲荷様を浄化します。

えっ…。

えっ…!?

230: ◆gKWfLXJsS. :2012/03/18(日) 11:14:55.19 ID:+0sQYsXA0
うちには狐の剥製があるんだ。
まぁジジイがバブル全盛期の頃に思いつきで買ってきたものなんだけど、
どうやら全ての元凶はそれだったらしい。
ジジイが死んでから、その剥製は父親の兄弟
(またこいつもしょうもない)が持っていったんだけど、
粗末に扱われた狐さんは怒ってうち一家を祟ってたらしい。
昔弟が夜中廊下を爪を立てて歩くような音がすると言っていたのを思い出し、戦慄する。
狐の魂を浄化するのは難しい、むしろ稲荷様となっては神様のようなものだから尚更。
実は儀式の最初の方から狐さんの浄化は始めていたらしい。
それがひねり挙げを炎にくべる理由のひとつだったようだ。

233:名も無き被検体774号+:2012/03/18(日) 11:19:43.83 ID:dc62g9ne0
はよはよー!

234: ◆gKWfLXJsS. :2012/03/18(日) 11:19:50.95 ID:+0sQYsXA0
さっきよりも増して強くお経を唱え始める霊媒師。
弟子たちもそれに併せて声を張り上げる。
よりガチな雰囲気に圧倒され、いつの間にか俺一家も手を併せて拝む。
バシバシ投入されるひねり揚げは熱でうねり、焼け焦げ、煙と化した。
燃え盛る炎は火柱のようになり、天井を焼こうとする。
本当ここら辺は火事になりそうな勢いだったから、個人的に浄霊どころじゃなかった。

237: ◆gKWfLXJsS. :2012/03/18(日) 11:25:45.96 ID:+0sQYsXA0
絶え間なく唱え続けられるお経の間、再度寄り代さんが唸り始める。
正座の状態から苦しそうに前屈みになり、畳に爪を立てた。
もう一人の弟子が寄り代さんの背中を擦りながらお経を唱え続ける。
ジジイが乗り移った時とは違い、まるで獣が威嚇するような声を喉で鳴らす寄り代さん。
あまりの状況に俺は本当に恐怖を感じた。
寄り代さんに稲荷様が乗り移ってか霊媒師のお経はより一層強さを増す。

239:名も無き被検体774号+:2012/03/18(日) 11:30:28.46 ID:64HBV9W60
みwなwぎwっwてwきwたw


240: ◆gKWfLXJsS. :2012/03/18(日) 11:34:17.13 ID:+0sQYsXA0
霊媒師はお経を唱えながら寄り代さんの方へ体を向き直した。
「今姿を現した汝の名を申せ」
寄り代さんは爪を激しく畳に突き立て、より強く唸った。
「汝は何ちゃらかんたら(忘れた)の稲荷であるか?」
「貴方に行ってきた数々の無礼お詫びさせて頂きたい。」
すると寄り代さんが爪を突き立てた状態の手を掲げ、何かを欲する様子を伺わせる。
霊媒師「???」
「何がほしいと申すか?」
えぇ、まさかこの中にいる誰かの命とかは止めてよねぇ…。と不安になった。
霊媒師「!!!!!」
「これであるか?」
差し出されたのはひねり揚げだったw

241: ◆gKWfLXJsS. :2012/03/18(日) 11:38:22.37 ID:+0sQYsXA0
稲荷様が乗り移った寄り代さんは、渡されたひねり揚げを両手でむさぼった。
お腹空いてたの?w
ってくらい勢いよく口のなかに頬張る。頬張る。頬張る!
その間再度お経を唱え始めた霊媒師。
寄り代さんのその頬張る様子は、人間がわざとらしくやっている演技なんてもんじゃなく、
本当に稲荷様の行動にしか見えなかった。
目を血走らせながらひねり揚げを頬張る様子はそれほど壮絶なものだった。

242:名も無き被検体774号+:2012/03/18(日) 11:45:54.89 ID:57lcuMDKO
おもしれーw

243: ◆gKWfLXJsS. :2012/03/18(日) 11:47:48.25 ID:+0sQYsXA0
それから程なくして落ち着きを取り戻し始める寄り代さんもとい、稲荷様。
霊媒師の言葉に耳を貸す。
霊媒師は優しくも威厳のある声で稲荷様を諭す。
「この一家は十分な反省をしている。」「これより貴方様を祀り、大切に扱うことを約束する。」
等々。
稲荷様はその言葉を聞き、唸りながらも頷く。
そして再度お経を唱え、稲荷様の魂を鎮めていった。
後から聞いた話だと稲荷様が怒った元凶となるジジイがこの世に居なかった、
父親が霊感強すぎて、
その父親が必死に稲荷様の怒りを鎮めるように
お祈りしたのが聞き入れてもらえたとか。
この日よりうちの神棚にはお稲荷様が祀られた。

244: ◆gKWfLXJsS. :2012/03/18(日) 11:52:25.69 ID:+0sQYsXA0
時間を忘れて儀式に見いっていたが、気づいたら二時間程経っていた。
二時間お経を唱え続けた霊媒師の声は枯れ、
寄り代さんは涙と涎で顔がぐちゃぐちゃになり疲れきった様子。
もう一人の弟子のおばはんは呑気に饅頭食ってたw
少しの談笑の後、俺一家は一人一人悪い気を払ってもらい、
運勢?みたいなのを占ってもらうこととなる。
そう、つまり俺はもう一山ありそうな予感をここで感じていた。

245: ◆gKWfLXJsS. :2012/03/18(日) 11:55:47.34 ID:+0sQYsXA0
まずは父親に始まり、次は母親。
何か母親も霊感が強く、父親とは違い憑依体質だということが判明した。
よく背中が痛いとか、肩が重いと言っていたのはそれが原因だとか。
原因分かってよかったねー☆とか呑気に見ていた俺だが、
すぐに霊媒師が俺の目の前に移動してきた。
「むむっ!?」と言ったように表情を歪める霊媒師。
ま、まさか…ゴクリ
悪い予感しかしなかった。

248: ◆gKWfLXJsS. :2012/03/18(日) 12:00:02.85 ID:+0sQYsXA0
霊媒師「君は基本的に霊などは信用していないようだね」
俺「はぁ…。そう言うわけでもないですけど。」
霊媒師「………。」
霊視?するとき霊媒師は頭の天辺に親
指の爪を突き立てるんだ。
それが痛くて痛くて早く次いってくれないかなぁ、と思ってた。
霊媒師はなかなか口を開かずじっと俺の目を見つめて何かを読み取ろうとした様子だった。
しばらくして霊媒師は何がわかったかのように口を開いた。
「君は最近人に怨みを買うようなことをしたことはないかい?」

250:名も無き被検体774号+:2012/03/18(日) 12:05:20.88 ID:W6pLVYQS0
>>248
キター

249: ◆gKWfLXJsS. :2012/03/18(日) 12:05:20.23 ID:+0sQYsXA0
俺「!!!!!?」
霊媒師「いや、君を見ていると黒いもやが掛かっているように見えてね。」
俺「は、はぁ…。」
霊媒師「そういう人は大概人から怨みを買ったりしていることが多いんだ。」
霊媒師は一瞬何かを言おうと躊躇ったが、言葉を選ぶようにして口を開く。
霊媒師「正直な話、君の場合そのもやが異様に濃い。
こういうのは呪いや呪術の類をかけられていないとならないんだ 」
心臓が縮み上がるのが分かった。

254: ◆gKWfLXJsS. :2012/03/18(日) 12:10:10.69 ID:+0sQYsXA0
呪い?呪術?ソレッテオイシイノー
霊媒師のいってる意味がよく分からなかった。
「何か最近よくないことが起こったり、体に異常をきたすことはなかったかな?」
そう言われて心当たりしかなかった。
霊媒師「………。んー、これはなかなか深いな。相当の怨念を感じる。」
俺「……ぅぇっ……」
霊媒師「あとね、四人も生き霊が取り憑いてる。女性だね。」

255:名も無き被検体774号+:2012/03/18(日) 12:10:44.36 ID:W6pLVYQS0
>>254
えっ四人?
オイオイ

256:名も無き被検体774号+:2012/03/18(日) 12:11:05.65 ID:77BlBIgY0
あと二人誰だ?w

259: ◆gKWfLXJsS. :2012/03/18(日) 12:16:05.22 ID:+0sQYsXA0
キターのAAが浮かび上がる俺。
霊媒師はお構いなしに続ける。
霊媒師「生き霊は無理矢理はがしても念の強さによっては
また飛ばした主の人が無意識に飛ばしてくるからいたちごっこになるケースが多い。
だからそれは自然に消えるのを待つでも大丈夫。
それに余程のことがない限りそんな死ぬようなことはないから。」
いやいやwでも悪いこと起きてますがなw払ってよw
霊媒師「それよりも問題なのがこの呪術だなぁ。これは取り払うのにそうとう苦労する。」
霊媒師に突き立てられた爪が頭皮に食い込む。
爪を突き立てられた所から出血してるんじゃないかと思った。

264: ◆gKWfLXJsS. :2012/03/18(日) 12:59:15.01 ID:+0sQYsXA0
そんなに言うなら今すぐ払ってくれよwと思った。
横から寄り代さんがぐちゃぐちゃの顔のまま「使いの魔が憑いてます。」と言ってきた。
使いの魔( )wwww厨二こじらせたかwwwww
脳内の煽りと裏腹に、随分と深刻そうな霊媒師と寄り代さん。
弟子のおばはんは呑気にお茶飲んでた。

265: ◆gKWfLXJsS. :2012/03/18(日) 13:04:49.75 ID:+0sQYsXA0
霊媒師「怨念の深さによっては今すぐ祓えないかもしれないが、
とりあえず試みてみましょう。」
そういうと俺の頭に右手の親指を爪を突き立てたまま、
左手に巻かれた数珠をじゃらじゃらと鳴らし出した。
そしてそれに合わせるように寄り代さんと弟子のおばはんは体勢を整え、
同様に数珠を鳴らしだす。
霊媒師はお経を唱え始めた。弟子二人も霊媒師の声に被せるようにお経を唱え始める。
場が一気に物々しい雰囲気に変わった。

266: ◆gKWfLXJsS. :2012/03/18(日) 13:09:38.88 ID:+0sQYsXA0
お経を唱え始めてから、霊媒師は俺の頭に突き立てた爪により負荷を掛けた。
それが痛くて痛くて涙がちょちょぎれそうになる。
しかし、しばらくお経を聞いていると頭皮の痛みが薄れていき、
次第に目の奥、つまり脳?が痛くてなり始める。
爪楊枝で脳の奥のデリケートな部分をつつかれるような痛み。
思わず瞼に力が入り、顔を歪める俺。
その痛みは神経を伝うようにゆっくりと下がってきた。

268: ◆gKWfLXJsS. :2012/03/18(日) 13:15:34.51 ID:+0sQYsXA0
その痛みは神経を下っていくうちに痛みから熱を帯びたパチンコ玉のようになった。
ちょうどそれが首もとの辺りに降りてきた辺りで神経に詰まるように止まった。
首回りが苦しくなり、思わずえづく。
段々耳に入ってくるお経が鬱陶しくなってきて、霊媒師の口を塞ぎたくなってきた。
不思議と霊媒師が憎くて憎くて仕方なくなった。
でも体に力が入らず、殴ることはおろか、腕を上げることも、指を動かすこともかなわなかった。

269: ◆gKWfLXJsS. :2012/03/18(日) 13:20:49.90 ID:+0sQYsXA0
苦痛で堪らないお経が耳の中へと流れ込み、
その間には熱いパチンコ玉が首回りを苦しめる。
もういっそのこと気絶してしまいたかった。
でも何となくこのパチンコ玉を吐き出さないとダメな気がして意識が気絶を許さなかった。
胃から酸っぱい液体が上がってきそうで、さらさらとした唾が口元から溢れた。
寄り代さんがすかさず俺の背後に回り、背中を擦り出す。
俺は目を開くと貧血を起こした時のように、黄色や青や、
緑などの原色の光りで視界を塞がれてた。