「不倫ねぇ。
そんなに悪いことなのかね。
働きアリの男が、少し魔が差して
ハメはずしたくらいで騒ぎ過ぎだろう。」
私はキッチンにいましたが、
ハッキリとこの言葉は聞こえました。
そして途方もない呆れと怒りが沸々と
湧き上がったのを覚えています。
不倫を肯定する様な堂々とした発言と、
ましてや娘や妻がいる目の前で
そんな非道徳な事を口走るなんて…信じられない!
私が夫に指摘しようとした時です。
いつも無言の娘がこの夫の考え方と発言にもの申したのです…
「私が言える事じゃないんだけどさ、
今のは最低でしょ。
男は働いてるからって、不倫とか浮気とかを
認めろって言うなら女は何?
今お父さんがご飯食べて残したものとか
片付けて皿洗いしてるお母さんに失礼。
矛盾してるよ。
まぁ矛盾とか私が言える事じゃないんだけどね。」
私は娘のこの言葉に驚き、洗い物をしていた
手が完全に止まって口も開いていました。
もちろん、突如感情を露わにしてもの申した娘に、
夫も驚きの顔でこちらを見ていました。
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