借金を抱え苦しい生活をしていた母子を励まし続けた「一杯のかけそば」の話しが心に響く・・・

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八百屋に肩をぽんと叩かれ、気を取り直した女将は

「ようこそ、さあどうぞ。 おまえさん、2番テーブルかけ3丁!」

仏頂面を涙でぬらした主人、

「あいよっ! かけ3丁!」

期せずして上がる歓声と拍手の店の外では、

先程までちらついていた雪もやみ、新雪にはね返った窓明かりが照らしだす

『北海亭』と書かれた暖簾を、ほんの一足早く吹く睦月の風が揺らしていた。