いつも通り男子トイレの清掃に入り、
小便器をゴシゴシと掃除していた時です。
ビジネスタワーでもあるそこでは、
丁度どこの企業も新卒採用の面接を行っている時期でしたので、
大学生などリクルートスーツに身を包んだ若者が頻繁に出入りしていました。
私が小便器を丁寧に掃除していると、
笑いながらまだ初々しい姿の大学生2人がトイレへ入ってきたのです。
そしてすぐに小便器を掃除する私に向かって酷い言葉呟いてきました。
「こんな仕事やだよなー。
まじで無理だわ、俺。」
「いや無理とかってレベル
じゃないだろ!
トイレの掃除とか
キモいって!!!
とりあえずこうなったら人間のゴミだわ!(笑)」
知らないフリをして、聞こえないフリをしました。
一生懸命悔しい気持ちと、
怒りを食いしばり我慢しました。
ここで言い返したりしては、私はこの大学生たちの言う様に
本当の『ゴミ』になってしまう様な気がしたからです。
言い返す=認める事、
このような思いが、咄嗟に私の心で我慢するという選択を取ったのだと思います。
しかし、この大学生二人組は、この後凍り付くような窮地へと追い込まれる事となったのです。
この大学生たちのすぐ後ろから入ってきた一人のおじさん。
このおじさんが、大学生が私の事をバカにした後、ボソッと大学生に言葉を掛けます。
「君たちは、就活生かい?
だとしたら、0点だね。
なぜなら君たちは、仕事の意味を履き違えているようだ。
どんな仕事でも、仕事があるという事は必要とされているからなんだよ。
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