26:名も無き被検体774号+:2013/04/30(火) 00:51:59.35 ID:H74f5dFw0
俺「あ、あれC菜のお母さんじゃないか?」
A男「あ、ほんとだ」
C菜の母親とは数回しか会ったことはないが、俺達のことは覚えていてくれたらしい。こっちを振り向いて、声を掛けてくれた。
C菜母「ああ、俺君とA男君、C菜に会いに来てくれたのね」
C菜の母親は、かなりやつれており、目の下にも大きなクマが出来ていた。
俺「はい、C菜いますか?」
C菜母「ええ、C菜、お友達が来てくれたわよ」
そういってC菜の母親は、カーテンをめくった。
そこにC菜は横になっていたのだが、俺達は、あまりの異様さにギョッとした。
27:名も無き被検体774号+:2013/04/30(火) 00:52:41.53 ID:H74f5dFw0
C菜は全身が管だらけだった。顔もゲッソリとしており、風が吹けば飛ばされるんじゃないかというくらい、痩せてしまっていた。
C菜「あ、、、来てくれたんだ」
俺「・・・・・・・・」
あまりの異様さに俺は声が出なかった。
A男「お、おう!な、なんかすげー痩せちまったな!」
C菜「うん、好きなものとかも食べられないんだよね」
A男「ま、まあ学校に戻って来たら、また駄菓子たらふく食おうぜ、な、な、、、」
やはりと言うか、流石のA男もあまりの異様さにたじろいでいる様子だ。
その後は、学校でどうだったーとか、最近のテレビだどうだーとか、話をしたが、よく覚えていない。
28:名も無き被検体774号+:2013/04/30(火) 00:53:26.32 ID:A16ooheY0
きついな
この時点で涙腺ゆるんできたぜ
30:名も無き被検体774号+:2013/04/30(火) 00:54:29.89 ID:H74f5dFw0
>>28
ああ・・・先に言っておく・・・感動系の話じゃないんだ
29:名も無き被検体774号+:2013/04/30(火) 00:53:38.55 ID:H74f5dFw0
C菜母「ああ、そうそう」
黙って横で話しを聞いていたC菜の母親が口を開いた。
C菜母「皆の写真を撮って良いかしら」
俺「はい、良いですけど」
A男「ええ」
何故このタイミングで写真?と思ったが素直に従うことにした。
C菜母「じゃあ撮るわね、はい、チーズ!!」
皆で一斉にピースサインをした瞬間、シャッターが切られた。
C菜母「じゃあ、現像出来たらみんなに渡すわね、C菜、お母さん用事があるから、また明日来るわね、二人とも来てくれてありがとう」
31:名も無き被検体774号+:2013/04/30(火) 00:55:15.36 ID:H74f5dFw0
かなり急いでいるのか、C菜の母親は慌しく病室を出ていった。残されたのは俺達3人。
しかし、C菜の雰囲気のせいか、これ以上話ても会話が盛り上がらないことは明白だったので
俺達は暇をすることにした。
俺「じゃあ、俺達も行くね」
A男「ああ、またな」
C菜「あ!待って!!」
俺「ん?」
C菜「ずっと、、、一緒に居てくれるよね?」
俺「勿論だろ、俺らは友達だぜ」
A男「だな、退院したら色んなトコ遊びに行こうぜ!!」
C菜「うん、ありがとう!絶対だよ!!」
C奈は顔中で喜びを表していた。
32:名も無き被検体774号+:2013/04/30(火) 00:56:00.13 ID:H74f5dFw0
そして、一週間が過ぎたある日、ついにその時がやって来た。
朝のホームルームの時間。
先生「大変、悲しいお知らせがあります、C菜さんが亡くなりました」
俺&A男「!!!」
C菜が死んだ、、、言葉の意味は分かっていても、頭が追いつかない。
あんな姿になっていても、やはり心の中では、また学校に戻って来るという希望があったのだろう。
先生「先生もとても悲しい、悲しくて悲しくて仕方が無い」
嗚咽を漏らしながら、話し続ける先生。
クラスの皆も泣いていた。しかしなぜか、俺は涙は出なかった。
その後のことは、あまり覚えていないが、俺とA男はC菜の葬儀に参列することになった。
33:名も無き被検体774号+:2013/04/30(火) 00:56:44.67 ID:H74f5dFw0
俺とA男も抜け殻のように葬儀の日までを過ごし、当日にC菜の葬儀へと向かった。
大人の見様見真似で焼香を済ませ、C菜の母親に挨拶をした。
C菜母「本当に、、、俺君とA男君にはC菜がお世話になったわね」
俺「いえ、、、そんな」
A男「・・・・・・・」
C菜母「そうそう、これ、病院で撮った写真ね」
C菜の母親は喪服の間から、二枚の写真を取り出した。
C菜母「どうか、これを持ってC菜の分まで生きて頂戴」
俺はそれを受け取った瞬間に、涙が溢れ出た
俺「ウェッ・・・ひっくひっく」
A男「・・・・うぅ」
A男も少しだけだが泣いていた。
俺もA男も写真をしまい、葬儀場を後にした。
34:名も無き被検体774号+:2013/04/30(火) 00:57:53.38 ID:A16ooheY0
泣いたじゃねえか
35:名も無き被検体774号+:2013/04/30(火) 00:57:58.96 ID:H74f5dFw0
友人の死は、こどもながらに、かなりショックであり、しばらくは沈んだ日々を送っていた。
それでも徐々に日常を取り戻し、俺もA男も二ヶ月が経つ頃には新しい友人も増えて、普段通りの生活を送れるようになっていた。
そんなある日、俺は恐ろしい夢を見た。
36:名も無き被検体774号+:2013/04/30(火) 00:58:10.19 ID:2vhPS2fL0
霊的なやつ?怖いはなしならトイレ行けなくなるから見るのやめるは
37:名も無き被検体774号+:2013/04/30(火) 00:59:04.60 ID:c15v/8ZH0
病名、死因は知らないのか
38:名も無き被検体774号+:2013/04/30(火) 00:59:37.73 ID:H74f5dFw0
>>37
覚えてない、すまん
39:名も無き被検体774号+:2013/04/30(火) 01:00:11.68 ID:H74f5dFw0
空気が重く沈んだ空間に俺は居た。しかし、そこがどこなのか分からない、足が地面に着いているのかも分からない。辺り一面、どす黒く、先が見えない。
歩けているのか、歩けて居ないのか分からない状況だったが、俺は先に進んだ。
そこうしているうちに、後ろに気配を感じた。
振り返ると、頭を下げて俯いた少女が、かなり俺の近くに立っていた。
あれ?C菜!!C菜じゃないか!!
特徴のあるくせっ毛に、いつも履いていた靴。
間違いない、C菜だ。
40:名も無き被検体774号+:2013/04/30(火) 01:00:15.42 ID:few+Qb1I0
今からフロ入る俺にはキツいスレ
41:名も無き被検体774号+:2013/04/30(火) 01:00:51.90 ID:H74f5dFw0
声を掛けようと思ったが、なぜか声が出なかったので、身振り手振りでこちらへと気を引くと
C菜と思われる少女がゆっくりと顔を上げた。
俺「!!!!!!!!」
俺は一瞬にして鳥肌が立った。
そこに居た少女は間違いなくC菜だった、しかし
本来あるはずのもの、目がなかったのだ。
42:名も無き被検体774号+:2013/04/30(火) 01:02:14.08 ID:H74f5dFw0
眼球があるはずの部分は空洞となっており、闇が覗いていた。
更には、口も歯と舌が無く、ぽっかりとした空間が広がっているだけだった。
俺「あ、、、あ、、、」
あまりの異様さに身体が全く動かない、逃げ出したいのに、金縛りにあっているのか身体が全く言うことを聞かないのだ。
C菜「・・・・・・・・・・」
C菜が口を開き、何かを言っているが、全く聞き取れない。
俺「何を・・・言ってるんだ」
ひとしきり、C菜が何かを言い終えた後、おもむろに俺の腕を掴んできた。
びっくりするほど冷たかった、夢なのにその冷たさが分かった。
43:名も無き被検体774号+:2013/04/30(火) 01:02:49.73 ID:H74f5dFw0
俺「な、何をするんだ!離せ!!!」
C菜「・・・・・・・・・・」
C菜は無言で俺をどこかへ連れて行こうとする、俺は必死に抵抗した。
俺「やめろ!!!」
必死の抵抗のせいか、C菜は諦めたのか、俺の腕を離した。
俺「はあ、、、はあ、、、はあ」
C菜「・・・・・・・・・」
俺「!!!!!!!」
C菜は笑っていた、眼球と口の無い顔で、ニヤリと。
その瞬間、目が覚めた。
44:名も無き被検体774号+:2013/04/30(火) 01:03:30.97 ID:H74f5dFw0
起きたのは夜中の3時だったが、急いで母親をたたき起こし、泣き付いた。
母親は優しくなだめてくれた、きっと友人が死んだショックがまだ抜けてないと思ったんだろう。
その後は一睡もすることが出来ず、学校へと行った。
45:名も無き被検体774号+:2013/04/30(火) 01:04:08.67 ID:H74f5dFw0
俺「おう、A男おはよう、、、」
A男「ああ、、、」
勿論俺に元気などあるはずもないが、なんだかA男も元気が無いように見えた。
俺「何か元気ないな、どうした?」
A男「・・・・・・」
普段から元気ハツラツのA男、これは明らかに様子がおかしい。
A男「夢を・・・見たんだ・・・C菜の夢を」
俺「え、、、?」
46:名も無き被検体774号+:2013/04/30(火) 01:05:27.71 ID:H74f5dFw0
詳しく話しを聞いてみて分かったが、あろうことか、A男が見た夢は、俺が見た夢と全く同じの内容だったのだ。
その事実をA男に告げると、A男はみるみる青ざめていった。
A男「どういうことだよ!これ!」
俺「お、俺に聞かれても分からないよ!!」
意味が分からず、パニックになる二人。しかし、かと言ってどうすることも出来ない。
俺もA男も無理やりに偶然と決めつけ、この問題を頭から消し去ろうとした。
二人で同じ夢を見るなんて偶然、あり得るはずがないのに。
47:名も無き被検体774号+:2013/04/30(火) 01:06:18.91 ID:H74f5dFw0
そして、その日も夢を見た。全く同じ内容の夢だ。
全身が汗だくになって、飛び起き、また母親に泣き付いた。
やはり母親は優しくなだめてくれたが、俺の気持ちが治まるはずがない。
俺「何なんだよ・・・何なんだよ!!一体!!!」
翌日も満身創痍の状態で学校へ行ったが、A男は学校に居なかった。
何を言ってるのか分からない授業を聞き、急いで家へと帰宅。
家へ帰ってからは、何をするでもなくぼーっと過ごした
48:名も無き被検体774号+:2013/04/30(火) 01:07:02.34 ID:H74f5dFw0
俺「寝るのが・・・怖い」
二日連続で同じ夢を見たのだ、三日連続も考えられる。
俺「どうしよう・・・どうすれば良いんだろう・・・・・・・そうだ!!!」
ふっと、俺の中で何かが閃いた。
俺「お母さんと一緒に寝れば良いんだ!」
当時の俺は、かなりのマザコンであり、何かあったらすぐに母親に泣き付いていた。
また恐ろしい夢を見ても、きっと母親が何とかしてくれる!そう信じて疑わなかった。
俺「おかあさん」
母「ん?」
俺「今日一緒に寝よう」
母「いいわよ」
心の中で俺はガッツポーズを取った。
49:名も無き被検体774号+:2013/04/30(火) 01:08:11.74 ID:H74f5dFw0
そして、その日の夜、俺は母親と一緒の布団へと入り、心地良い安堵感の中眠りに付いた。
これなら大丈夫だろうと、俺は何一つ心配していなかった。
しかし、その晩、俺は再び夢を見た。
全く同じ内容、全く同じ悪夢。
唯一違ったのは、起きた部屋が一緒に母親と寝た部屋ではなく自分の部屋だったのだ。
50:名も無き被検体774号+:2013/04/30(火) 01:09:17.50 ID:H74f5dFw0
俺「な・・・何で・・・」
俺は全速力で母親の部屋へと向かった。
母親は寝ていた、何事も無かったかのように。
再び叩き起こして、詳細を尋ねる。
俺「おかーさん!!なんで寝ている間に僕の部屋に帰したの」
母「はあ?」
寝ぼけ眼で母親が答える。
俺「僕が寝ている間に、僕の部屋まで連れていったでしょ!ひどいよ!!」
母「何を言ってるの?いきなり夜中に起きて、自分で部屋に戻ったんじゃない」
俺「え・・・」
母「声を掛けても何も答えないし、寝ぼけてたんじゃないの?」
俺「・・・・・・」
51:名も無き被検体774号+:2013/04/30(火) 01:10:46.33 ID:H74f5dFw0
茫然自失の状態で自室へ戻る、時計を見ると夜中の三時だった。
俺「なんで・・・なんで」
こんな状況で再び眠れるはずもなく、俺はその後は一睡もせずに学校へ向かった。
授業なんて適当に聞き、放課後、A男の傍へ行った。