山本さんはこれで良かったんだなと思う…
田所さんは相変わらず毎回来た。
山本さんがお店に来なくなって少し嬉しいと話していた。
バレンタインデーも近づいてきて、お客さんにチョコを作ることにした。
チョコレートケーキを量産して作り100均一で買った箱につめ
中島さんや田所さんにプレゼントした。
中島さんは「やったぁ!優子ちゃんのケーキや!」とものすごく喜んで大事そうに家に持って帰った。
田所さんは涙目になりながら「う、嬉しい!優子ちゃんのケーキ大事に食べるね」と言い
冷凍保存して少しずつ食べているよとメールで送ってくれた。正直お腹を壊されそうだったので早く食べて欲しかった。
>>122
検索した。そっくりでビックリしたww似てるwww
>>123
もうじきです。思った以上に長くなった。反省はしていない。
その頃、熊野さんもよくお店に来てくれた。
熊野さんは優しいけど見た目がちょっぴり怖くて男だなっと感じていた。
熊野さんとはお店で会った後にアフターで2人でご飯に行ったりした。
乗ってる車がBMWですごく格好良かった。いつもお店が終わった後、車にのせてもらって
深夜にあいている居酒屋でいろんな話をしながら仲良くご飯を食べていた。
熊野さんは高級店に連れて行く事は一度も無かった。
いつもモツ鍋屋や、チェーン店の居酒屋に連れて行ってくれた。
社長なのに身につけてるものは安物ばかりで時計は身につけずスーツはシワだらけだった。
あんまり気取らない人なんだな~と思い庶民的な感じで親しみやすかった。
熊野さんも長澤まさみが好きらしく私に好感を持ってるとある日話してくれた。
なんだか雄雄しい熊野さんに対して子宮がうずく時があった。
「この人なら抱かれて良いかな」と酔った勢いでウットリしてしまって
ある日アフターでモツ鍋屋を出た後、車の中で「まだ一緒にいたいな…」と言ってしまった。
熊野さんは「じゃあどこか行こうか…」と言いラブホテル街へと車を走らせた。
すごい勢いで言ってしまってマズイ!と思ったけどラブホテルに連れてこられた。
最初はえ、え、どうしようと戸惑ったけど仕方なく部屋を選んで
綺麗な部屋にチェックインした。
さすがにお客さんをヤルのは禁じ手だろ!と我に帰り
ベッドではなくソファに座ってテレビでお笑いを見てた。
熊野さんはどっしりとベッドに座り私がベッドに来るのを待ち構えていた。
いや、Hできないと判断し熊野さんに明るくなったら帰ると伝え
熊野さんは「いいよ」と答え手を出さずにマッタリ2人で映画を観た。
それから、何故か熊野さんとはアフターの時にご飯に行ってラブホテルに行くという
習慣がついてしまった。
ラブホテルに行っても何もせずに2人でベッドで映画を観ていた。
たまに熊野さんがソフトタッチでおっぱいを触ったけど
「やだーやめてー」と言うとサッと手をのけてくれた。
いきなり狼になって無理やり襲う事は一度もなく、大きなベッドで映画を見ていた。
熊野さんは仕事終わりだからすぐにベッドでいびきをかきながら寝ていて
朝になったら私が起こしてあげてホテルをチェックアウトしていた
ある日、熊野さんの家に行ってみたいと話したら
熊野さんが良いよとマンションに連れて行ってくれた。
大きな高層マンションで私の住んでる4万のアパートの何倍もあった。
「わぁー!めっちゃおっきいー!」
「あ、うち犬いるけど大丈夫?」
「うん大丈夫ー!ワンちゃん大好き~♪」
きっと可愛いワンちゃんだろうなぁと思いウキウキしていた。
熊野さんの部屋につき扉をあけると勢い良く吠えながら
デカいブルドッグが私に突進して押し倒してきた。
「バウッwwwwwwバウバウッwwwwww」
体は小さいのに力が成人男性並にあり吹っ飛んでいく私。
熊野さんは「ごめんね。すごく暴れん坊さんな犬なんだ。」と謝ってきた。
「いや、大丈夫ですよ~」コートのボタンは全部、前足で引き千切られタイツはビリビリで全く大丈夫では無かった。
>>134
バウっwwwwwwwwwwバウバウバウっwwwwwwwwwww
http://uploda.cc/img/img527c1c9acbfc1.jpg
前足がまじで凶器。
熊野さんの部屋は男暮らし以上を上回る見るに耐えれない汚さだった。
脱ぎっぱなし散らかしっぱなし、犬の毛が全身に瞬く間に私にこびりついた。
「あんまり掃除しないんですか?」
「うん…仕事が忙しくてね…」
「男の人の一人暮らしって大変ですね」
「うん、そうだね。俺ちょっと眠いから寝るね」
寝室へと熊野さんが行った瞬間にマスクを装着しホウキを持ち部屋中を綺麗にした。
ブルドッグがバウバウ私に吠えつつも「汚物は消毒だー!ヒャッハー!」と言いながら掃除した。
朝方には少し部屋が綺麗になり、熊野さんが起きて「ありがとう」と言ってくれた。
ブルドッグは熊野さんと私が仲良くしてるのが気に入らない感じで
前足で私を攻撃しまくりだったので早めに家へと帰った。
熊野さんの家に行ってから母性本能が生まれた。
「あんなに不衛生な環境で大丈夫かな」と心配する気持ちが強くなった。
バレンタインデーの日に量産したチョコレートケーキに
熊野さんのだけほかのと比べて少し奮発して良い出来に仕上げた。
箱も100均一じゃなく、東急ハンズで買った高価な箱に入れて
お店に来てくれた熊野さんにプレゼントした。
その日もアフターでご飯を食べた後にラブホテルに行った。
熊野さんが「せっかくだからホテルでケーキを食べたい」と言い
車から私が頑張って作ったケーキを取り出してくれてホテルに持込んで冷蔵庫で冷やした。
2人でいつもどおりマッタリ映画を観て仕事の疲労で熊野さんは
いつもより早く眠りについた。
朝になり「熊野さん起きて~」と体を揺さぶり起こした。
ホテルをチェックアウトして車に乗り込んだ。出発して5分経った頃に
私はある事を忘れていることに気づいた…
ラブホテルにケーキ忘れてる…!!!
眠そうにしながら運転してる熊野さんを横目に
ショックで声が出なかった。
(熊野さん、ホテルにケーキ忘れてること気付いてないし…)
ラブホにケーキ忘れるなんて…となんだか自分が情けない気持ちで
涙目になりながら胸が苦しくなった。
熊野さんも10分ぐらいで「あ。」と気づいた。
もう、気づくの遅いよ!と怒りと悲しみで下を向いて黙ってた。
家についたあと、「ケーキせっかく作ったのに酷いよ」とメールを送ってしまい
「ごめんね。今度お返しでお詫びするね」とメールが返ってきた。
3日ほど落ち込んだけど、それからはもうなんとも思っていなかった。
ただ熊野さんに会うのがすごく気まずかった…。
日も経ち、あることがキッカケで店長と大げんかをしてしまい
店の中で「こんな店やめてやる!!!クソが!!!!!!!」と大暴れしてしまった。
今思えばささいな事だけど、すごく胸糞悪いことがあった。今でも思い出して腹が立つぐらい。
泣きながら店の中にある自分の物をまとめて、家にトボトボ一人で帰った。
その日はずっと家で泣いていて、今本当に頼れるのは誰だろう…とふと思った時に
熊野さんが頭に思い浮かんだ。
「そうだ…熊野さんに連絡しよう」
熊野さんに「店で嫌なことがあった。今泣いてる」とメールすると
すぐに返事が返ってきて「今から迎えに行くよ」ときた。
熊野さんは仕事が終わった後、車ですぐに迎えにきてくれて
「今日は何でも好きなもの食べて良いよ」と慰めてくれた。
その瞬間、熊野さんの優しさに本気で恋に落ちてしまった。
熊野さんはゆっくりと話しを聞いてくれた。
「もう辞めて正解だったよ。そんな辛い思いして店で働くことないよ」と慰めてくれた。
「でももう店を辞めたら生活していけない。」と話すと
「じゃあ、俺と一緒に暮らせば良いよ」と優しい笑顔で言ってくれた。
翌日から店を辞め、携帯にはバンバン「お願い、戻ってきて」と店から連絡が来たが
もどらなかった。
お客さんからも「何でいきなりお店辞めたの?!」
「え、まさみちゃんに会いに行ったけど辞めたってマジ?」
「また、優子さんに会いたいです」と沢山のお客さんからメールが届いた。
さすがにお客さんにはメールを無視するのはしつれいだと思い
一人一人に謝罪の内容と、もうお店に復帰しないとメールをした。
ほかの女の子からも連絡がきて「長澤まさみがいなきゃお店潰れるよ~帰ってきなよ」とメールがきた。
仲の良かった子だったので、一瞬戻ろうかなと心が揺らいだけど
「もう、私…体にピース☆疲れたよw」とメールした。
こうして長澤まさみ似で1位になれた私のキャバクラ人生はピリオドを迎えた…
飲食店で働いてる時は辛かったけど沢山の人と出会えて、まさみちゃん!とみんなから呼んでもらえて
長澤まさみさんには感謝してます。
来年結婚する予定で今は熊野さんと幸せに一緒に暮らしています。
ここまで読んでくれた方々、ありがとうございます。