そして、いつぐらいの話なん?
1は、今いくつなん?
なんなん?
ほぼ最近ですね…特定される勢いで書いてるので年数は気にしないでいただくとありがたいです。
田所さんもよく来てくれていたので、2人でコンサートや東京に旅行にも行った。
「僕は結婚するまでは女性と同じベッドに入らないよ」と言い部屋は別々に予約を入れてくれていた。
良い人だったけれど、私は少しずつ嫌悪感が出てきた。
田所さんはビックリするぐらいドジでよくお店のグラスを何個も割っていた。
その度に私がイライラしていて一度「何回グラス割れば学習するの?!」とキレた事もあった。
怒った日は何日も引きずってメールで長文の謝罪を送ってきた。
お店にも「グラスを度々割ってしまい本当に申し訳ございませんでした。」と長文の詫びメールを送っていた。
その場で「うわ~また割っちゃった。ごめんね!」と言えば済むのにメールで謝ってくる所が女々しいと思い
だんだん田所さんにイラつくようになってきた。
私の誕生日にDSのとびだせ!どうぶつの森が欲しいと伝えると
めでたいことにかなり前の「おいでよ!どうぶつの森」を間違えてプレゼントしてくれた。
「ありがとう。間違えてるけど嬉しいよ♪」と伝え翌日ブックオフで売った。
自分でとび森を買い、お店の待機室でピコピコとゲームしていた。
「ユウコサン新規のお客さんデース」と若いスタッフに声をかけられ
まだとび森してるのに…と思いつつ支度して新規のお客さんについた。
見た目がすっごく大きくて893っぽい雰囲気のお客さんだった。
目は細く、少し怖い雰囲気だったけど名刺を渡して接客した。
「はじめましてぇ~優子でっす♪」
「あぁ、宜しくね。」
「わ~良い体してますネ♪何かスポーツしてたんですか?」
「ラグビーしてたよ。でもヘルニアになって辞めたんだ」
「え~そうなんですかぁ。残念だねっ☆」
ふ~ん♪、へぇ~♪と左から右に話を流していた。
「お仕事は何してるんですかぁ?」
「今はIT関係をしているよ。」
「そうなんだぁ♪PC強いってすごいですネ♪」
「名刺あげるよ」
名刺をもらうと熊野と書かれた名前の左上に「代表取締役社長」と素晴らしい肩書が小さく書かれていた。
「え?!シャッチョサンなんですか?!」
テンションが高くなる私。
なかなか社長と肩書をもったお客さんに巡り会えなかったのでラッキーと思った。
「アドレス教えてくださぁい♪」
「うん、いいよ」
すかさず熊野さんのアドレスをGETし自分のお客さんにしようとしていた。
熊野さんは落ち着いた人だったけど、すごく会話は弾んだ。
私が言ったことにはきちんと答えてくれるし見た目は怖かったけど話すとすごく優しい人だった。
着々と自分のお客さんを増やしていき、たまに系列のお店にヘルプに行って
同級生だったマミちゃんとは度々顔を合わせていた。
自分が同級生とは絶対に明かさず、2人で話したりして不思議な関係を築いていた。
山本さんがある日、モエシャンドンじゃなくて
めちゃくちゃ高いドンペリをいれてくれた。お店でも年に出るか出ないかのお酒だった。
「山本さんまじで?!ドンペリ入れてくれたの?!え!優子めっちゃ嬉しいねんけどー!」
「………….一緒に飲もう」
その日は気分が良くて自分のためにいれてくれたドンペリのボトルを持って帰った。
山本さんからデートに誘われドンペリも入れてくれたし…良いよ♪とデートする約束をした。
もう付き合うなら山本さんで良いかな~自分と歳も2歳しかかわらないし♪と楽観的に考えたりもしていた。
いざ山本さんとデートの日!!朝から田所さんのおはようメールを読んで家を出た。
ほんの少しだけ山本さんに恋愛感情が芽生えていた。
山本さんは神戸のポートアイランドに連れて行ってくれた。
めちゃくちゃ気合の入った服装でサングラスをかけたEXILE風の山本さんを見て吹いたwwww
「…………..じゃあ行こうか」
神戸のポートアイランド2人でぐるぐると散策した。
お昼はオシャレなイタリアン料理に連れて行ってくれた。
「…………僕はチーズフォンデュ食べる。」
「え?!チーズフォンデュですか?!wwwwww」
「……………….うん(笑)」
「あ~じゃあ私も…ww」
2人でお昼からチーズフォンデュを食べた。
山本さんとは食の価値観は合わないかな~と感じた。
イタリアンがものすごく好きな方で、私はガッツリ和食派だった。
とにかくトマトが嫌いでイタリアンはほぼトマトが入っていたからNO THANK YOU状態でいた。
山本さんはほとんど喋らないし、私といるだけで落ち着けるといった感じだった。
だんだんと私がつまらなくなってきて、夕方になった頃には山本さんには恋愛感情が消えていた。
夜は神戸ポートピアホテルの予約していたコース料理をごちそうしてくれた。
素敵な料理が次々と運ばれてきたけれど会話をすることなくボーっと窓から出港する船を見ていた。
「………..トイレいってくる。」
山本さんがトイレにいった後に、山本さんがいない隙に並べられた皿の料理をガッツリとムシャムシャ食っていると
扉からパチパチパチとスタッフと共に何か大きいものを運んできた。
キャバは十三なん?梅田なん?
難波なん?
なんなん?
梅田でっす♪
スタッフ数人を連れてトイレから帰ってきた山本さんが
これを持ちながら帰ってきた。
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「え、えー?なにこれ!可愛い♪」
「……………….今日のためにサプライズで。」
可愛らしいケーキに言葉が添えられていた。
しかし、山本さんがいない隙にガッツリと肉を平らげてしまったので
お腹がいっぱいでテイクアウトした。
帰りの電車に乗り、山本さんとは帰る方向が違ったので
私は電車を降りて今日は楽しかったバイバーイと手を振り電車が閉まる瞬間に
山本さんがいきなり降りた。
「え、えええ、電車いっちゃうよ?www」
ドアが閉まりまーす。
「え、電車行ったけど良いの…?www」
「…………………..話がある。」
「え、なに?なになになに?!」
「…………….ずっと好きだった。」
山本さんが照れながら真剣な眼差しで駅のホームで言った。
「あ~そっかぁ…でも私、山本さんのこと恋人として見れない!ごめん!」
ハッキリと自分の気持ちを伝え山本さんは少し泣きそうな顔をしていた。
「……………..そっか」
「でも気持ちはすっごく嬉しいーありがとう♪」
「……………実は俺、長澤まさみがすごく好きで」
「え、そうなの?!」
「…………友人に聞いて店に行ったら本当に似てて嬉しかった」
「あーまぁよく言われるwwwそれなら最初に言ってくれたら良かったのに!」
「……………それだけで好きになったら怒ると思って。」
「ははは~別に怒んないよ!なんかイメージ崩してごめんね。」
「………………..あのさ」
「なに!?」
「………………最後にあれやって….」
「あれ?!なに?」
「……………………..体にピース….」
「えw良いよ~」
「体にピース☆」
満面の笑顔で体にピース☆をすると山本さんは幸せそうに笑って電車の乗って帰った。
それからお店には山本さんは来なくなった。