162: :2008/06/17(火) 11:14:15.68 ID:
「志村を殴って会社を辞めてやろうか」
入社5時間程度で本気でそう考えた。
志村が帰っていなければ実行していたかもしれない。
あまりにも無茶苦茶だ。
それでも分からないなりに取り組んでみる。
しかしヒントの1つも無い状態では全く何もできない。
仕方無い。赤松に聞こう。
しかし赤松がいるべきデスクにその姿は無かった。
俺は焦った。あんな陰気臭いオッサンでも最後の拠り所なのだ。
ホワイトボードで確認する。
「赤松 A代理店打ち合わせ→直帰」
終わった・・・。
入社初日で完全な絶望感に襲われた。
俺はフラフラと社内を彷徨った。
どうすればいいのか全く分からない。
その時1人の男が声を掛けてきた。
「お前新入社員だろ?どうした?顔色が悪いぞ」
163: :2008/06/17(火) 11:14:28.04 ID:
田畑さんである。
志村の1つ後輩にあたるこの人は
社内でも有名な変わり者だ。
タバコとコーヒーを愛しひたすら仕事をしている。
1度会社が停電になった時も
皆パニック状態の中で彼だけは
我関せずといった感じで台本を書き続けていた。
とにかく会社の人間と距離を置き
理想の演出のみを探求する人であった。
この当時、釣り番組をメインに担当していた彼は
のちに天才演出家として社内のエースディレクターとなる。
165: :2008/06/17(火) 11:22:38.40 ID:
いま考えてみても、この時田畑さんが
俺に声を掛けてきたのは全くの気まぐれだったのだろう。
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