楽しみにしてる
学校女「女友ちゃん」
女友「……どしたの」
女「後でどれだけ笑ってくれてもいいから」
女「罰ゲームのことはちょっとの間だけ忘れて」
女友「……わかった」
女「ありがと」
女友「(私が発端なのにどんどん蚊帳の外に追いやられてるような)」
……
…
女「……ごめんね」
女「誘ってもらったのに急に無理なんて言っちゃって」
男「ううん。俺もあんな時に言ったんだし」
女「バイトってね」
女「どれくらい入ってるの?」
女「週3くらい?」男「週4だな。月火木土の早朝で固定シフト」
女「(月火木土で固定…)」
女「……そうなんだ」
女「今度はドタキャンしないからさ」
男「…………」
女「日曜日にデートしたいな」
男「…………」
女「月曜日のバイトって交代するの難しいのかな?」
男「……なんとかする」
男「その代わり、あの帽子被ってきてよ。ちゃんと見たい」
女「コンビニで見てたのに?」
男「あの時は緊張してて」
女「……よくわかんないけど、わかった」
男「よしっ!」
久々に面白いのが見れて良い
翌日 夕方 男宅 (金)(7/10)妹「で、日曜にデートが決まったんだ」
男「そうだな」
妹「最終決戦だね」
男「最終にはしたくないんだけど」
妹「うん」
妹「応援してるから」
妹「(月曜日のシフト変更を頼んだってことは…)」
妹「(夜遅くまでデートをしたいって捉えていいはず)」
妹「…………」
妹「(あんまり良い予感がしないけど……)」
妹「(ただの杞憂であってほしい)」
妹「…………」
妹「(私もそろそろ動かなきゃ)」
おいおいどうなるんだよ…
翌日 夕方 女宅 (土)(7/11)女「明日で5回目のデート…」
女「短いのか長いのか、よくわかんなかったけど」
女「…………」
女「…………」
女「(最後の自分勝手を…)」
女「(どうか明日だけは、許して)」
女『明日の集合、駅前でいいかな?』カチカチ
男『うん。何時にしようか?』
女「相変わらず返信早いなぁ…」
女『ちょっと早くても大丈夫?』
男『もちろん。12時くらい?』
女『まだまだ』
男『11時?』
女『もう一声』男『2時』
女『夜中だよ』
男『俺はそれでもいい』
女『じゃあ間を取って8時にしよう』
男『どこの間か分からんが、了解』
女「ふぅ…」
女「…………」
女「明日は、どんな服で行こうかな」
………
……
…
男「(……デートコースはすでに決まってるのか)」
男「(どこでも楽しみだけど、気合入れないと)」
翌日 駅前 デート 5回目 (日)(7/12)女「おはよ」
男「……おはよう」
女「なんか眠たそう」
男「昨日楽しみすぎて寝れなかった」
女「ほんとに?」
男「もちろん」
女「そうなんだ」
女「うれしいな」ニコニコ
男「……かわいい」
男「すごいかわいい」
男「キャップも似合ってる」
女「……」
男「もしかして褒め過ぎた?」
女「……恥ずかしいよ」
………
水族館
女「ついたー」
男「ここの水族館来たの初めてだ」
女「そっか」
女「……ってか髪切ってたんだね」
女「もしゃった髪が解消されてる」
男「もしゃ?」
女「いいのいいの」
男「女さんも髪切ったよね」
女「これは、結び方変えただけ」
男「うわぁ、盛大に外した」
女「博打じゃないんだから」
男「すいません」
女「昨日もメールしたけど、デートコースは全部考えてきたから」男「すごい嬉しい!」
女「うむ。感謝してよいぞ」
男「……そんなキャラだっけ」
女「気分的にね」
男「ひょえー」
女「……そんなキャラなの?」
男「俺はずっとこんな感じだよ」
女「ひょえー」
男「バカにしてるな」
女「真似したくなったの」
男「なるほど」
女「そういや全然魚見てないね」
男「さかなって」
男「風情がなさすぎる」
女「それは申し訳ない」男「適当だな」
女「あ、ラッコ」
男「ほんとだ、かわいいな」
女「しかも手繋いでる!」
男「うお、すげぇ」
女「かわいい…」
男「…………」
男「あんな風に…」
女「ん?」
男「……向こうはアシカだ」スタスタ
女「(手、繋ぎたかったのかな…)」
女「(でも、今日は…)」
女「ひょ、ひょえー」
男「たぶんだけど、使い方間違ってると思う」
………
男「お土産買ってかないの?」
女「う、うん」
女「今日は他にも行くから予算は抑え目で…」
男「そっか」
男「じゃあ次の場所教えてもらおうかな」
女「次はね…」
女「(……お揃いなんか買っちゃったら困るし)」
男「あ、ごめん」
女「?」
男「ちょっとトイレ行ってきていい?」
女「うん。わかった。待ってる」
女「(さて、電車の時間を調べなきゃ)」カチカチ
………
科学館
女「涼しー」
男「快適だな」
女「ほんとにね」
女「ここは?来たことある?」
男「…昔遠足で行ったような」
男「でもほとんど覚えてないや」
女「そーなんだ」
男「たしかプラネタリウムがあるんだよな」
女「そそ」
女「プラネタが見たくてね」
男「んじゃ行こうか」
女「うむ」
………
鑑賞中
男「…………」
男「(きれいだな)」
女「…………」ジー
男「(女さんも楽しそうだし…)」
男「(今日は朝からずっと、女さんが軽快というか…)」
男「(ほんとにこういう性格なのかな)」
女「…………」ジー
男「(いつもと雰囲気が違う?……いや、なにか無理をしてるようにも)」
男「…………」ジー
女「(適度に暗くて良いムード…)」
女「(とか、思うのかな。普通のカップルは)」
女「…………」ジー
30分後男「良かったな」
女「うん…」
男「あんな風に流れ星見てみたい」
女「……」
女「私、小さい頃にすっごい大きくて真っ赤な星見たんだ」
男「赤い星?」
女「……うん。きっと星じゃないんだろうけど」
男「?」
女「最初は大きくて、でもずっと眺めてたらどんどん小さくなって…」
男「なんだろうな」
女「星のこと好きだったから、その頃にもちょっと知識はあって」
女「きっと超新星爆発が起きたんだ。それを奇跡的に見たんだって」
男「……うん」
女「でも、何日経ってもそんなニュースなんか流れなくて」