317 :名も無き被検体774号+ :2012/07/30(月) 19:40:57.75 ID:e6Xcvivh0
僕たちはちょうど、街の広場に着いたところでした
木陰に入ったところで、僕は青空の後ろに回り
青空の細くてひんやりした首に、右腕を巻き付けます
青空は力を抜き、黙ってそれを受け入れます
”気をつけ”の姿勢のまま、後ろの僕に体重を預けます
僕の腕は少しずつ青空の首を絞めていきます
体を乗っ取られるのは初めての経験でした
あまりにも違和感がなくて、最初は自分の意思で
自分を動かしているかのような錯覚を受けました
おそらく今僕の脳は、「腕が動いたということは、自分から
腕を動かそうとしたということだ」と解釈しているのでしょう
318 :名も無き被検体774号+ :2012/07/30(月) 19:49:51.79 ID:e6Xcvivh0
青空の首に絡み付いた僕の腕に、徐々に力が入ります
やむを得ないと思い、僕は青空の体を乗っ取り、
自分(曇り空)の体を突き飛ばそうとします
しかし、僕と違い、青空には抵抗ができます
僕の操作に逆らって、一歩も動こうとしません
なるほど、青空は本当に僕に殺されたいようです
ですが、その抵抗から、僕はなんとなくヒントを得ます
青空の体がぐったりしてきたあたりで
僕の腕は徐々に青空の首から離れていきます
青空は僕の腕をすり抜け、地面に倒れます
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