非リア君「あぁ、大丈夫だよ。確かに、今でも姉さんのあの顔を夢に見る事はあるし、女の子のケガに過剰反応してしまう部分もあるけど、それでもね、もう10年経つし、あの頃よりはずっと心の傷は癒えてるから。」
A子「そっかぁ・・・・・・ねぇ。じゃあ、一個訊いて良い?」
非リア「どうぞ。」
A子「犯人はどうなったのぉ?」
非リア「あぁ、犯人ね。自殺した。事故の後、車を捨てて自宅のマンションに引き籠ってたみたいなんだけど、警察に突入されてね。一瞬のスキを突いて、ベランダから飛び降りたらしい。」
A子「そうなんだぁ・・・・・・何か、やるせないねぇ。」
非リア「両親はそうだったよ。でもね、僕は当時、小学校2年だったから、姉さんを殺した奴が死んだという事実だけで満足できたんだ。さすがにその年齢じゃ、死刑と自殺の意味の違いなんて、理解できないからね。」
A子「あぁ、そっかぁ・・・」
非リア「だから僕は、ある意味、不幸中の幸いだったかも知れない。それは両親も言ってた。両親は姉さんを失った悲しみと、行き場のない犯人への憎悪の板挟みで、本当に苦しんでたけど、僕は悲しみだけで済んだからね。」
A子「そうだねぇ。」
非リア「まぁ、そんなトコかな? 僕とDQNが仲良くなったいきさつは。」
A子「そっかぁ・・・」
非リア「うん。」
A子「何かぁ、DQNってやっぱすごいねぇ。」
非リア「うん。ちょっと乱暴なトコはあるけど、優しさのケタが違うよ。」
A子「吃音の事もよく理解してるしねぇ。」
非リア「うん。どれだけどもっても、彼は絶対笑わないし気にも止めないって分かってるから、安心して話す事ができたんだ。そうしてるうちに、どんどん打ち解けてきて、気が付けばどもらなくなってた。家族以外で、話す時にどもらなくなった人は、DQNが初めてだよ。」
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