美しすぎる学校の先生が不登校になってしまったので家にお見舞いに行った結果・・・

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20: 名も無き被検体774号+ 2014/03/12(水) 07:25:13.45 ID:zSMs1Lti0

「幽霊なんているわけじゃないですか」

「一概にそうとも言えないじゃない」

「そういうの、信じる派なんですか?」

「…………いなければいいな、とは思う」

かわいい。

「馬鹿にしてるでしょう?」

「そんなことはありませんよ」

「コナン・ドイルだって、霊魂の存在を信じてたんだからね」

そんな話は初めて聞いた。

「コナン・ドイルって、シャーロックホームズを書いた、あの?」

「うん。彼はかなり熱心な心霊学者だったの」

「心霊学者? 心理学者じゃなくて? そんな職業があるんですか」

「19世紀後半から20世紀初頭にかけてだったかな、西洋でスピリチュアリズムが隆盛を誇ったのは。第一線で活躍する知識人たちがこぞって、霊魂の存在可能性を考察したの」

「そんなの、一体どうやって」

降霊術でも試したっていうんだろうか。
冗談交じりにそう考えたか、あながち間違ってなかったらしい。

「ドイルがスピリチュアリズムへ傾倒していくに決定的となったきっかけは、外部から密室内部の物体を引き寄せることに成功した降霊実験を、目の当たりにしたことらしいよ」

「そんな実験があるんですか」

「ドイル自身、当初は心霊学に懐疑的な立場だったんだけどね。知ってる? シャーロックホームズシリーズを著した彼は当然、莫大な印税収入を得ていたんだけど、その使い道」

「いかにもなにか出そうな廃墟を買い取ったとか」

「良い発想だね。全然違うけど」

全然違うのか。

「世界旅行費だよ。スピリチュアリズムに関する講演を各地で行うためのね。彼は心霊学という分野についての偏見を取り払い、世界にその見聞を広めようとした」

いよいよ、馬鹿に出来ない話になってきた。
行動のスケールが大きすぎる。

「旅行費約20万ポンド、大体5000万円前後。当時のレートで考えれば、億単位の話になるね」

僕はいつのまにか、いつものように、先生の話に聞き入っていた。
彼女の話は面白く、とりとめがなく、意味がない。
だからこんなに、素敵なのだろう。

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