「……お兄ちゃん、最近帰るの遅いね……」
オラにご飯を持って来ながら、ひまわりは呟く。
「……ちょっと、な。働く部署が変わったんだ」
「そうなんだ……なんか、毎日クタクタになってるね」
「まあ、慣れるまでは時間かかるかな……」
ご飯は、ひまわりが作っている。と言っても、冷凍食品が主ではあるが。
それでも作ってくれるだけありがたい。ご飯は水が少なくて固いが、それでも暖かい。
ひまわりに悟られないように、スーツで出勤する。そして仕事場で作業着に着替えるという毎日だ。
はじめ工場長も不思議がっていたが、密かに事情を説明すると、それ以降は何も言わなくなった。
仕事は、かなり労力を使う。
単純な作業ではあるが、一日中立ちっぱなしだ。そこそこパソコンを使えるが、使う機会はほぼない。
流れ作業であるために、オラが遅れれば、後の作業に影響が出る。だから一切気が抜けない。
慣れない作業に、肉体と精神力を酷使し続ける日々は、とてもキツかった。
それでも、今は働くしかない。
休日のある日の朝、オラは目を覚ました。
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