俺 「ホテルを取ってるのでそろそろお暇します。それで、今日はこれをお返しするつもりで来たんです」
母 「そんな。大変なご迷惑を掛けたのに……。ぜひ受け取ってください」
俺 「でも、こんなにたくさんは頂けません」
母 「いいえお願いです。どうか受け取ってください」
そういって俺に封筒を無理やり握らせて話すお義母さんの手は震えていて、目には涙が滲んでいた。
あぁ、このお義母さんは夫を亡くしてからひとりで娘を大事に育ててきたんだ。
娘の非常時に駆けつける事が出来ず本当に苦しい思いをしたんだろう。
娘の非常時に駆けつける事が出来ず本当に苦しい思いをしたんだろう。
俺 「でしたら、今回の旅費にこれだけ頂きます。たくさん海鮮も頂きましたし。 わたしもこれきりで嫁さんに会えなくなるのは寂しいですし、今度はそのお金で嫁さんとお義母さんで遊びに来て下さい。」
母 「そうですか、分かりました。ありがとうございます。ぜひ伺わせてください。」
ところがこの約束は果たされなかった。
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