男「フードコートで水ばかり飲んでるクソ女」

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123:以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします: 2018/07/12(木) 00:58:44.130ID:Ww120Ey10.net
ゲス共が…!

124:以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします: 2018/07/12(木) 00:59:21.495ID:WoieZSUl0.net
― フードコート ―

男「…………」ゲッソリ…

女「どうしました? 今日は水も飲んでないじゃないですか」

男「ほっといてくれ……」

女「放っておけませんよ」

男「いいから、放っておいてくれよ! 俺なんて餓死でもすりゃいいんだよ!」

女「放っておけませんよ!!!」バンッ

男「!!!」

125:以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします: 2018/07/12(木) 01:02:18.055ID:WoieZSUl0.net
女「前におっしゃってましたね? おいしそうにご飯を食べる人を見るのが好きだって」

男「そんなこといったっけ……」

女「いいました」

女「私だってそうです!」

女「私だって、好きな人がおいしそうにご飯を食べるのを見るのが好きなんです!」

女「落ち込んでたら、助けてあげたくなるんです!」

女「さあ、何があったか話して下さい! ……絶対に助けますから!」

男「……う」

中年男「おおっ、あの子もいうねえ!」

受験生「大人しい人だと思っていましたが、侮ってましたね」

少女「今さらっととんでもないこといってなかった?」

126:以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします: 2018/07/12(木) 01:04:05.214ID:yqEzsAml0.net
面白い

127:以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします: 2018/07/12(木) 01:05:03.852ID:WoieZSUl0.net
ゾロゾロ…

中年男「話してみろって」

受験生「ボクが力になれるかは分かりませんが……」

少女「話せば楽になることもあるって!」

母「この子ったら生意気を……」

男「…………」

女「お願いします……!」

男「分かったよ……。完全に俺の事情なんだけど……」

128:以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします: 2018/07/12(木) 01:05:24.287ID:SCrCk4e0d.net
早く話してみろよ

129:以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします: 2018/07/12(木) 01:06:38.015ID:9oTWTW7Y0.net
ええやん

130:以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします: 2018/07/12(木) 01:07:22.041ID:WoieZSUl0.net
中年男「なるほどねえ……納入する品をミスって、取引先に大迷惑をかけちまったと」

中年男「で、取引が打ち切りになりそうってわけか」

受験生「受験でいうと、受験で使わない教科の勉強をしてしまったようなものですか」

男「取引先からの信頼も、社内での信頼も、なにもかも失ってしまった……」

男「俺はもう……」

女「…………」

女「なにいってるんですか! まだまだ挽回できますよ!」

131:以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします: 2018/07/12(木) 01:09:33.957ID:WoieZSUl0.net
中年男「そうだぜ。今はとにかく、どうやって埋め合わせするか、動く時だ」

受験生「ボクだって、B判定から合格できたんです! あなたなら絶対大丈夫!」

少女「ダメだったら、フードコートでヤケ豪遊すりゃいいんだしさ!」

中年男「そうそう、オレがビールでも焼酎でもおごってやるよ!」

男「…………」

女「諦めないで……!」

男「…………!」ドキッ

男(みんな、俺なんかを励ましてくれて……)

男(そうだ……まだ終わったわけじゃない。落ち込むのは、やれることを全部やってからだ!)

133:以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします: 2018/07/12(木) 01:12:10.442ID:WoieZSUl0.net
男「みんな……ありがとう!」

男「今日はたっぷり食って、なんとか挽回できるよう頑張るよ!」

女「よかった……」

中年男「あの兄ちゃんが元気ねえとやっぱり締まらねえからな」

受験生「ホントですよ。このフードコートの守り神みたいな人ですから」

少女「まーったくイチャイチャしちゃって、あの二人」

母「若いっていいわねえ……」

清掃女「しばらく、あの二人が座ってる机には近づかないでおいてやるかねえ」

134:以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします: 2018/07/12(木) 01:13:55.306ID:cvn9h2jFr.net
頑張れ

135:以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします: 2018/07/12(木) 01:15:54.016ID:WoieZSUl0.net
― 取引先 ―

男「こんにちは」

取引先「……また来たのか。君もしつこいな」

男「このたびは……本当に、本当に申し訳ありませんでしたっ!」

男「謝って済まされることではありませんが……」

男「この埋め合わせは必ずします! どうか、今度とも弊社と……私とお付き合いを……!」

取引先「…………」

136:以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします: 2018/07/12(木) 01:18:31.589ID:WoieZSUl0.net
取引先「……君」

男「は、はいっ!」

取引先「まさか、ウチみたいな小さな会社のために」

取引先「あんたらみたいな大きな会社の社員がこんなに動いてくれるとは思わなかった」

取引先「……よくやってくれたよ」

男「えっ!」

取引先「今回のミスは……とりあえず、何とかなったから。もう、気にしないでいいから」

取引先「今後とも、よろしく頼む」

男「は、はいっ!」

取引先「埋め合わせは……うまい店でも紹介してもらおうかな」ニッ

男「それなら、いいフードコートがあるんですよ!」

取引先(フードコートときたか……!)

137:以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします: 2018/07/12(木) 01:21:05.382ID:WoieZSUl0.net
― 会社 ―

部長「今回、君が独断でことを進めて、とんでもない事態を引き起こしたそうだが……」

部長「どうやら挽回できたようだな」

男「は、はいっ!」

部長「よくやった」

部長「人間、ミスをしないのが一番だが、ミスをしてしまうことは絶対ある」

部長「ミスをどう挽回するか、これもとても大切なことなんだ」

部長「これからも頑張ってくれたまえ」

男「ありがとうございます、部長!」

課長「…………」

先輩「…………」

138:以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします: 2018/07/12(木) 01:24:17.728ID:WoieZSUl0.net
先輩「あいつ、まさかあそこから挽回するなんて……!」

課長「ヤケ起こすとか、ノイローゼになるとか、もっと面白いものが見られると思ったんだがねえ」

課長「いったいどうやって立ち直ったのか……」

先輩「そういやあいつ、いつも夜は外食してるみたいなんですよ」

先輩「そこで元気をもらってる、とかいってたことがあります」

課長「ふうむ……」

課長「だったら、そのささやかな生きがいを奪ってしまえば」

課長「もっといじめがいができる、ということか」

先輩「そういうことです」ニヤッ

139:以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします: 2018/07/12(木) 01:27:33.107ID:WoieZSUl0.net
― フードコート ―

女「解決したんですか! よかったですね!」

男「おかげさまで! ……本当にみっともないところを見せちゃったね」

女「そんなことないですって……トラブルになったら落ち込むのは当然です」

女「じゃあ、今日はお祝いにめいっぱい豪遊しましょう!」

男「そうさせてもら――」

「まさか、フードコートとはな……」

「こんなシケた場所で、いつもメシ食ってやがるのか」

男「!?」

140:以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします: 2018/07/12(木) 01:29:59.127ID:TuDfkvF30.net
やめろ

141:以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします: 2018/07/12(木) 01:31:44.179ID:WoieZSUl0.net
男「ゲ、課長、先輩!?」

先輩「ゲ、とはなんだよ。上司と先輩に向かって」

男「あ、いや……(なんでここに……)」

先輩「なるほどな。フードコートに入り浸って、お前と同じようなチンケな奴らとメシ食って」

先輩「傷のなめ合いしてたわけだ」

課長「情けない……私は上司として恥ずかしいよ」

男「す、すみません」

先輩「ったく、こんなだからあんな間抜けなミスするんだよ!」

課長「そうだな。これからはこのフードコートに来ることも禁止しなければならんなぁ」

先輩「ですよねえ……。また同じミスするかもしれませんし」

男「そ、そんな……」

女「ちょっと待って下さい!」


142:以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします: 2018/07/12(木) 01:33:53.429ID:WoieZSUl0.net
先輩「なんだ、あんた」

女「何の権限があってそんなこと……いくらなんでも横暴すぎます!」

先輩「横暴ゥ~?」

先輩「出来の悪い後輩叱って、なにが悪いんだ!?」

課長「その通りだ。あの納品ミスは決して許されないものだよ」

課長「部長には改めて君の不手際を報告して、なんらかの処分を下してもらうことにするよ」

男「ううっ……」

中年男「その通りだ! なんらかの処分が必要だわな!」

先輩「お? 底辺っぽいおっさん、よく分かってんじゃねえか」

143:以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします: 2018/07/12(木) 01:34:37.410ID:6fXgI5MI0.net
この中年おっさんが社長とか……ゴクリ

144:以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします: 2018/07/12(木) 01:35:56.704ID:W5sseaCH0.net
面白くなってきたぞぉ

145:以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします: 2018/07/12(木) 01:36:18.650ID:WoieZSUl0.net
中年男「ただし、お前ら二人にだがな」

課長「? どういうことだ」

中年男「納品ミスを仕組んだのは……お前らだろ?」

課長「な!?」

先輩「なんでそれを! ……あっ!」

課長「バ、バカ!」

中年男「やっぱりな……。オレも無駄に長生きしてねえし、こういうことは分かるんだよ」

中年男「こいつがそんなしょうもないミスするとは考えにくいし、絶対裏があると思ってたぜ」

男「先輩、課長……あなたたちが……!」

先輩「ふ、ふざけんな! やってねえ! ――なんの証拠もないだろうが!」

146:以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします: 2018/07/12(木) 01:39:43.383ID:WoieZSUl0.net
受験生「証拠ならありますよ」

先輩「は!? どこにだよ!?」

受験生「今までの発言、全てボクのスマホに録音させてもらいました」

受験生「こんな明らかなパワハラの“証拠”……どこに持っていってもいい材料になりますよ」

先輩「知った風なこというな、クソガキが!」

先輩「どうせ、ろくな大学に入れもしねえくせに――」

受験生「ボクは四月から△□大学に入学します。これ、証拠の合格通知です」ピラッ

先輩「…………!」

先輩(日本トップクラスの大学……! なんでこんな奴がフードコートに……)

受験生「分かりましたか? ボクとあなたじゃ、偏差値が違うんです」

先輩「あぐぐぐ……」

男(あの生意気さが、今はやたら頼もしい……!)

147:以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします: 2018/07/12(木) 01:40:02.229ID:vrmEcDYHr.net
おっさんかっけぇ

148:以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします: 2018/07/12(木) 01:40:03.208ID:W5sseaCH0.net
弱体化してないやん!

149:以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします: 2018/07/12(木) 01:42:28.758ID:WoieZSUl0.net
男「…………」

中年男「さて、オレらの出番はここまでだ。あとはお前がやるしかねえ!」

男「おっさん……」

受験生「クビになってもご安心を」

受験生「もしボクが将来起業したら、無条件であなたを雇ってあげますよ」

男「お前……そんなこというと、本当にあてにしちゃうぞ……」

少女「ここで決めなきゃ男じゃないよ!」

母「私に笑顔をくれた時のように!」

男「二人とも……」

女「会社に居づらくなったら辞めればいいんです! あなた一人ぐらい養ってみせますから!」

女「いいたいことを、いっちゃって下さい!」

男「ああ……いわせてもらうよ!」

150:以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします: 2018/07/12(木) 01:45:18.137ID:WoieZSUl0.net
男「課長、先輩……」

課長「な、なんだ……」ビクッ

男「あなたたちが俺でストレス解消してたのは、なんとなく分かってた……」

先輩「くっ……」

男「俺はもう、あなた方にいびられても、我慢しないし、泣き寝入りはしない!」

男「逆らって、あがいて、訴えて、戦ってやる!」

男「理不尽にはとことん立ち向かってやる!」

男「あんたたちには負けないッ!!!」

先輩「ぐぐっ……!」

課長「な、生意気な……」