276:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/01(木) 17:54:38.22 ID:ElfOH7eC0
このまま泣く自信ある
277:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/01(木) 17:57:38.38 ID:vSFVPbIk0
なんか泣きそう
280:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/01(木) 18:08:03.35 ID:flZ1wfTAO
まだ完全に恐怖が消えないため手すりは握ったままだったけど
もう俺は外の世界に夢中になった
そんな俺におっさんは言った
おっさん「どうや、なかなかええ景色やろ」
俺「うん、何かちょっといけてきたかも」
おっさん「おう。みんなな?そんなモンやねん。井の中の蛙言うやろ?」
俺「何それ知らん」
おっさん「だからなぁ?今自分の身近にあるモンだけが全部ちゃうってことや」
おっさん「ちょっと見る角度変えただけで、
いつものしょーもない町がこんなにええモンになんねん」
おっさん「最初は誰かて怖いけど、やってしまえば案外なんとかなる」
おっさん「周りがあかんのやったら視点を変えたらええんや。わかるか?」
俺「んー…ようわからん」
おっさん「やろうなぁ」
281:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/01(木) 18:10:00.11 ID:flZ1wfTAO
その時の俺はまだガキだったので
おっさんが何でいきなり校長先生みたいな話をしだしたのか全くわからなかったけど
「こんな話ちゃんと聞かんでええねん。何となくでええねん」
と言ったのは今でもハッキリ覚えてる
282:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/01(木) 18:10:24.86 ID:Xvffmec50
おっさん…
283:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/01(木) 18:10:26.59 ID:YaRWjxMl0
おっさん…
ダメなやつほどよく語るよな
そこがいいんだけど
288:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/01(木) 18:16:04.56 ID:1sBUe1W+0
おっさん…
292:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/01(木) 18:21:16.02 ID:flZ1wfTAO
そんなこんなで観覧車を降りて辺りがちょうど暗くなり始めた頃、
俺達はいつもの町に帰ってきた
そして空き地まで戻ってくると
おっさんは渡すモンがあるからと
土管の中に潜ってしばらくしてから
ちょっと汚れたノートを俺に差し出した
おっさん「お前明日から学校やろ。ほれ、アサガオの観察日記や」
おっさんは律儀に観察を続けていたのだ
295:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/01(木) 18:27:01.95 ID:flZ1wfTAO
俺「あー!めっちゃ忘れてたわ!おっさんありがとう!」
おっさん「ちゃんと毎日書いたんやで。感謝せぇよー」
俺「お礼に明日おっさんの好きなモン作ったるわ!何がええ?」
おっさん「んー、明日はええわ。って言うか…今日で仕舞いや」
俺「え?何が…?」
何がって聞かなくても空気でわかったけど
俺はあえて言葉にした
いつもみたいに冗談だと返して欲しかったのだ
296:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/01(木) 18:27:44.54 ID:xo/g0KEQ0
ああああ・・・・
297:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/01(木) 18:27:44.89 ID:OcThB20R0
うわああああ
299:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/01(木) 18:28:27.28 ID:AEgUtGhO0
いやああアアアアアアア
302:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/01(木) 18:30:20.31 ID:n2LWl7nd0
うわああああ
303:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/01(木) 18:34:07.17 ID:8KnzTTIiO
まさかの終盤クルー
304:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/01(木) 18:34:10.98 ID:flZ1wfTAO
頭が真っ白になった
さっきまでの楽しさは夢のように消えて
変わりに嫌な汗がダラダラと流れてきた
おっさん「もう今日でさいならっちゅーこっちゃ」
俺「だ…だから何でなん…」
おっさん「おっさんなぁ、引っ越しするんやわ」
俺「ホームレスのくせに引っ越しとかあるわけないやん…」
おっさん「いやいやホームレスだって引っ越しぐらいするって」
俺「せーへんわ…」
おっさん「するって」
俺「………」
(俺のこと嫌いになったんか?)
喉まで出かかったけどやっぱり聞けなかった
305: 【3.5m】 :2011/09/01(木) 18:34:37.37 ID:Bwv33Yk30
なわああああ
308:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/01(木) 18:37:10.55 ID:OcThB20R0
ホームレスのくせに引っ越しって
確かに子供は思うわな
関西人だからか軽妙だな
309:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/01(木) 18:40:13.57 ID:flZ1wfTAO
またぼっちに逆戻り
そう思うと悔しくて悲しくて悔しくて悲しくて
物凄く寂しくなった
それからおっさんは
「もう8時や。早よ帰り」と
いつものように俺の背中を押した
ただいつも違ったのは
軽くなったリュックサックを背負い
汚れたノートを抱えて唇を噛む俺だけだった
310:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/01(木) 18:40:33.88 ID:XQrFKcGG0
追いついた途端にこれかよおおおおお
313:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/01(木) 18:44:56.59 ID:iFxmZUWB0
追いついてこれとか・・・
314:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/01(木) 18:45:05.37 ID:flZ1wfTAO
その日はあまりにショックで眠れなかった
というのは嘘でリュックサックとノートをぶん投げたまま
俺は遠出の疲れで居間で死んだように爆睡した
翌朝目覚めると母が運んでくれたのか
きちんと布団で寝ていて観察ノートもしっかりランドセルに入れられていた
316:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/01(木) 18:46:18.01 ID:n2LWl7nd0
寝るなよwww
318:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/01(木) 18:48:00.61 ID:K5N5xVuv0
寝ちゃうのかよww
319:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/01(木) 18:49:53.94 ID:flZ1wfTAO
俺はランドセルを背負い学校へ向かった
本当に爆睡だったため、道中に何度も昨日ことは夢じゃないのかと
グルグル考えてはなぜか学校に近付くにつれ現実に戻され
その度に俺はおっさんに裏切られたという思いでいっぱいになった
321:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/01(木) 18:56:14.52 ID:flZ1wfTAO
久し振りの教室に俺の居場所はやっぱり無かった
でもそんなのは慣れていたので俺は淡々と自分の席につき、
ランドセルを置いたところで先生が来て
夏休みの宿題を提出することになった
周りのクラスメイトはあれを忘れただの
アイツがすごいだの賑やかに話していたが
俺は憂鬱なだけだった
なぜなら夏休みの宿題のほとんどをおっさんと一緒こなしたからだ
326:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/01(木) 19:01:23.75 ID:flZ1wfTAO
漢字や計算ドリルではわからないところを教えてもらい
自由工作では器用なおっさんと一緒にゾウの貯金箱を作った
読書感想文は本を読むのがめんどくさかったので
おっさんが適当に作った冒険話を聞いてその感想を読んだかのように書いた
そしてアサガオの観察日記にいたっては
もう100%おっさん作だった