59 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2016/12/13(火) 21:15:52.674 ID:20pegf+m0
こちらの鉄則は、相手に尻尾を握られない事。
常に人を使い、自分たちは影に徹する。先程も行ったけど、知られなきゃ呪詛をかけることは出来ないからだ。
だが、連中はA教に向かって呪詛をかけてきた。
それも、A教本部(といっても信者が提供した一軒家だが)に向かって、だ。本部に居る連中丸ごと、呪詛で潰そうとしてきた。
まさかそんな無茶をしでかしてくるとはこっちも思わなかった。大胆にもほどがある。
大がかりな術を組む場合、必ず呪物を仕込む必要がある。ならそれを除去すればいい・・・のだが、A教の連中にそれを見つける事は難しいだろうし、
自分たちが出て行くと、正体を掴まれる可能性がある。
そうこうしているうちにA教の連中が次々とやられていった。
そして、困った事にA教の教祖の娘が裏切りやがった。いや、裏切ったというよりは根を上げて敗北を認めた、といった感じか。
元信者の所に一部の幹部を引き連れて謝罪に行ったんだ。教団分裂の危機、しかしそれはどうでもいい。もっと深刻な事態がこっちに待っていたわけだ。
そう、こっちの情報が、敵に漏れた。
60 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2016/12/13(火) 21:25:17.470 ID:20pegf+m0
どこまで漏れたのかは知らないが、まず上司がターゲットになった。
動物に呪詛を逸らすいつもの手を使っても無駄だった。
強力な呪力と言うのは、磁力や悪臭のように、「感染する」んだ・・・
飼ってる動物に逸らしても、それで死んだ動物はその死体が感染源になる。また、その死体があった場所も。
そして当然、上司も。呪力にやられ、体調を崩し、幻聴と幻覚に苦しめられるようになった。
そしてそれは会社の仲間にも感染する。必死に防ごうとしたけど無駄だった。
当然、俺にもそれが来たわけで・・・
最初に感じたのは、「視線」だった。
最近映画にもなった「のぞきめ」に近い感じとでもいいえばいいかな、いわゆる「邪視」って奴の一種。
誰もいないのに、常に見られている感覚がある。
糖質の奴がよくネットに監視だの思考盗聴だの集団ストーカーだの書いて失笑喰らってるが、あんなかんじだった。
常に見られている。常に覗かれている。監視されている。
頭では、これは呪詛による攻撃だ、実際には見られてなどいない、奴らは俺の顔も知らないんだ、ってわかってても……
恐怖が止められなかった。
61 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2016/12/13(火) 21:31:26.128 ID:20pegf+m0
そんな状況だからろくに眠る事も出来ず、眠りに落ちても「見られている夢」で目を覚ます。
そんな生活が続けば、肉体的にも疲弊していく。
そして当然のごとく、病気になった。
入院してもそれは続く。特に場所が病院だ、余計な邪念にまで晒されて、首を絞められる幻覚まで起きるようになった。
それが終わったのは、社長がA教の娘経由で、連中にワビを入れたからだった。
A教から受け取った金は全額、元信者たちに変換。
呪術代行の看板も下げる。
こちらの社員の個人情報も全て渡す、また同じことをしたら容赦なく直接、呪詛攻撃を叩きこむぞ、と念を押されて、呪いから解放されたわけだ。
それ以来、もう首輪を付けられた……いや、首元に刃を突きつけられた状態なので、当然のごとく廃業した。
A教は分裂して、教祖様は今もどっかであくどい事やってるんだろうけど知らない。
小さい宗教だったからな、どこで何やってるかわからない。
三年ほど前の話だ。
62 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2016/12/13(火) 21:41:53.076 ID:20pegf+m0
以上が、一番キツかった出来事、そして廃業する事になった顛末。
ちなみに俺は、半身が麻痺する後遺症がしばらく残った。やっとほとんど回復したけどな。
手を出しちゃいけない領域ってあるもんだと痛感した。
63 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2016/12/13(火) 22:04:05.219 ID:20pegf+m0
んじゃ寝る。
良ければ保守しといてくれたら嬉しい。
落ちたらそれまでってことで。