609 :本当にあった怖い名無し:2013/09/23(月) 03:33:02.66 ID:4ccit6h+0
手が遅いのと文才がないので、ちょっとずつ書いててくじけそうになってきました
途中までだけど、一度投下します
みなさんの反応見て、続きを書くか検討します・・・すみません
中学の自習時間に先生がしてくれた実体験談?です。
先生から聞いただけの話だけど、臨場感を出すため語り手を先生(俺)として書きました
610 :本当にあった怖い名無し:2013/09/23(月) 03:36:32.44 ID:4ccit6h+0
十年くらい前、俺がまだ大学生だった時の話。
同じサークルでよくつるんでた友達が二人いた。名前はKとH。
俺とHは学生寮に住んでいて、Kだけが安アパートで独り暮らしだった。
どいつも親は別に金持ちじゃないから、仕送りも衣食住でかつかつ程度だったし
大学は最後の自由時間って感じで、講義もそこそこにバイトしては遊ぶ毎日だったよ。
彼女もいない野郎三人。
つるんでゲーセンやカラオケ行ったり、独り暮らしのKの家で夜通しゲームしたり、
今思えば、受験戦争から解放されて精神年齢が逆戻りしたようなアホな大学生活だった。
そんなある日、いつものように三人で馬鹿話してると
Kが「最近おもしろい夢を見る」と言い出した。
連続する夢、夢の続きをまた夢で見るのだと言う。
それも毎晩見るのではなく、数日あいてまた同じような夢を見るらしい。
俺とHがどんな夢かたずねると、Kは「自転車に乗っている夢」と答えた。
自転車に乗って走ってる夢で、夢の中のKは「どこか」に行かないといけないと思っていて
その「どこか」を探しているらしい。
ストーリー性のある夢かと思ってたから、正直つまらねー話だと思ったよ。
それのどこがおもしろいのか、たずねたら
Kは「ペダルを踏む感覚や景色がすごいリアルで、夢と思えない夢だ」と興奮していた。
611 :本当にあった怖い名無し:2013/09/23(月) 03:42:34.75 ID:4ccit6h+0
それからなんとなく、Kに会ったら夢の話を聞くのが俺とHの日課になった。
どっちか片方が聞いたらもう片方にも伝える。それでKに会ったらもう一度直接聞いたりして、
なんだかんだでKの夢の内容は、三人で共有する形になっていた。
「昨夜は残念ながら見なかったな」とか
「昨夜は海辺を走った」とか「薄暗くて山道みたいだった」とか
Kの夢に共通してるのは、それがK本人の行動として描かれることと、必ず自転車に乗っていることだった。
俺たちはおもしろがって、Kの夢をあれこれ診断しようとしたりした。
占いや精神分析とかを本で調べてみたり、Kの過去や思い出を聞いてみたり。
夢が現実にある場所かもしれないとKに心当たりがないか尋ねてみたが、
景色を「リアルだ」と思うのはあくまで夢の中のKであって、
目覚めた時に夢の景色をリアルに記憶しているわけじゃない、ということだった。
「実体験のような夢」を見てるだけで、目が覚めれば「夢は所詮夢」ってことらしい。