何度も何度もボイチェンで訓練したが、聞くに耐えない不自然な音声にしかならなかったのであきらめた。
UからVCは全く誘われなくなっていた。
断る理由を考えるのも大変だった俺にとっては嬉しい反面、不安だった
それでもUは俺にチャットで会話し続けてくれていた。
いつかお前が話せるようになったら俺とVCしてくれたらいいから と
そんな優しさに心から胸が痛かった
俺に「好き」だと。そういう風に伝えてくれたのも
その頃から俺は完全にUに依存してるんだなと実感してた。
なにするにもU基準で、装備を作ってプレゼントしたりもした
ある日 俺とUと共通の女性フレンドから話しかけられた
「UくんとVCしないの?」
いやな質問だった。
したくない訳じゃない。できないんだ。
すごく辛かった
環境的にできないから、とやんわり理由をつけたけど、そこで別のことを知る
何人か仲いいひとたちのライングループも存在していた。
バカかもしれないが俺は嫉妬した。
ラインの交換も当然してなかったから、FF外でのUの顔を俺は知らない
ただ、ラインなんていきなり通話かけてこられたりしても困る
俺はひたすらに辛かった
もしかしたらみんなには薄々ネカマだと気付かれてるかもしれない
そう思い始めた。
急いでツイッター垢をつくり、必死に女性であるアピールをした
幸い俺には妹がいたから、妹のてきとうな所持品だとか、妹がラインのタイムライン機能で共有した写真とかにモザイクを入れて俺だと言い張った
しかし虚しさしか残らなかった
俺は女じゃない。たったそれだけだけど。一番どうにもできない部分だった
UはVCできるほかの女性に浮気することなく、ただ俺を好きでいてくれた。
聞けば俺とのノロケを幸せそうに語ったりもするらしい。辛くてしょうがなかった
俺はVCできるまでずっと待ってるから
その一言が重かった
いつまで経ってもUが好きになった人とVCなんて出来るわけがないと
俺が一番分かっているのだから。
ある日俺はUにラインの垢を聞いた
いきなり、なんの前触れもなく。
心よく教えてくれたUは、こころなしか嬉しそうだった。
もう耐え切れないと思った俺は、正直に話すことにした
ラインでこう伝えた
実は女じゃない 男です
女性として扱われるのが嬉しかった。Uには本当にひどいことをした
謝って済むことじゃないけど、すいませんでした
もっと長い文章だったけど、だいたいこんな感じ