廃病院の地下で見た、衝撃の光景とは・・・

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384: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/23(水) 07:59:54.74 ID:NynODGfR0
>>380の続き

俺はひたすら悪態つきながらもう一度110を押して、耳に携帯当てた。
そしたら今度はコール音じゃなくて、ザザザってあの音が続いて
時々「ブツ……ブツッ…」なんて音が混じるだけだった。

通話を一旦切ってまた掛けなおしたが、今度は何故か携帯の電源そのものが落ちた。
いま思い返せばあれは、手が震えてたせいで長押ししてしまったのかもしれない。
俺はCに「携帯貸せ!」って奪うようにしてCの携帯で110をコールした。
ちょうどボタンを押してコールが始まった頃、
またコンビニの店員が「ちょっとちょっと、どうしたんですか」と迷惑そうな顔しながら出てきた。
まぁ実際、俺としてはそれどころじゃなかったけど向こうにしたら本当に迷惑なヤツだったと思う。

俺はもう店員はほっといて、電話だけに意識を集中させてた。
Cが「いやなんか俺にもよくわかんないんすけど」なんて店員に説明しはじめたのが聞こえてきた。
今度のコールはやけに長くて、中々相手が出なかった。

Cが店員に「いやなんか、ダチがあそこ(病院)行ったんですけど、戻ってこなくて」
そんな説明が聞こえたとき、やっと「ツッ」と短い音がして通話状態になった。
相手が何も言わないのに少し疑問は感じたが、
俺はまた怒鳴りながら「友達が二人怪我してヤバイから」って始まりで事態を説明しようとしたときだった。

電話の向こうっていうか、向こうの電話の遠いほうの音?が聞こえた。

「ぁぁぁぁぁぁぁああああああああ」

初めソレはなんなのかわかんなかったけど、段々その音がデカくなってきて、
それが何かハッキリわかって俺は本当もう「うぃっひぁ」とかワケわからん声だして、
火傷したときにやるような動きで携帯を放った。

Cが「オイオイオイオイ!」ってビックリしながらコンクリの駐車場に落ちた携帯を拾って、
怒ろうか事情を聞こうか迷ったような微妙な顔で俺を見た。
俺はもうヤバいくらい震えて、多分顔色も真っ青だったと思う。

店員が心配してくれて、「ちょっと大丈夫ッスか」なんて言いながら俺のほうを見てた。
俺は震えながら耳にこびり付いて離れないさっきの声をコメカミをかきむしって忘れようとした。

あれは間違いなくAの、病院で最後に聞いたあの叫び声だ。
なんで110からそんな声が聞こえたのか、あれは実際にリアルタイムで聞こえてきたのか、
それなら今あの場所ではなにが起こってるのか。

俺はもう本気でわけがわからなくなってその場にへたり込んで動けなくなった。
店員が酔っ払いでも見るような、扱いに困ってる目で俺を見てたのを呆然とした視界に捉えてた。

でも、その内店員が「え?ちょっとそれなんすか?」って言いながら顔を近づけて、
「うぅっわ!」なんて奇声をあげた。
店員「ちょっとやばいっすよそれ!腕んとこ血ィ出てるじゃないっすか!」
俺「え」

385: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/23(水) 08:05:42.16 ID:NynODGfR0
>>384の続き

その時やっと気付いたのだが、どうやら俺が病院を出るときに
窓に残ってたガラス破片で腕を切ってたらしい。
Cもその時になって気付き、「うーわお前大丈夫かよ」と覗き込んできた。

店員が慌てて店に戻り、もう一人のオッサン店員と一緒に緊急箱持ってきて
俺の傷に消毒液かけたり軽く包帯巻いたりしてくれた。
でも包帯の長さが足りなくてすぐに真っ赤になって、
そしたらオッサンの店員が売りもの包帯まで使って手当てしてくれた。

その間、俺はほんとぼけっと放心してた。
たまにコンビニに入ってく客とか出てく客が、ちらっとこっちを見て通り過ぎてってた。
C「それ病院いったほうがいいんじゃねえの?」
その言葉に俺は心底怖がった。有り得ない話だけど、
救急車にのっけられたらあの廃病院に連れてかれるって妄想までしたくらいだった。

「本当にいいから、大丈夫だから」ってガキみたいに断って、
少し冷静になった頭で包帯の代金を払おうとしたら
財布がないことに気付いた。
長財布だから尻ポケットに入れてたのだが、どっかで落としてきたらしい。

代わりにCが財布から二千円だしてくれてるのをぼけっと見てると、
Cの携帯が当時流行ってたコブクロの桜をくぐもった音で流し始めた。
Cが携帯を開くと、眉を顰めるってのはああいう顔のことを言うんだろう、
そんな顔をして俺のことと携帯画面を見比べて「もしもし?」と話し始めた。

店員のオッサンが包帯の入ってたバーコードついた紙部分と二千円持って店に入って、
釣りを持ってきて会話中のCに手渡すと、
Cは軽くオッサンに頭を下げながら「ああ、うん。……そう」とか言ってる。

オッサンはまだ俺のことを心配してて、「きみ本当大丈夫?」なんて気遣ってくれたけど、
俺は気の無い返事しかできなかった。
ただ、段々とCの話してる声に呆れと怒気が混じりはじめて、俺はそっちに意識をむけた。

C「コンビニ。そう。最初のD(コンビニ)。…………うん。………いるけど、なんかおかしいんだよ。…………ああ。お前らは?………え、まだそこにいんの?」
その最後の台詞に、俺はなんだか嫌な予感がして全身に鳥肌がたったのを憶えてる。

C「いやコイツ(俺)がお前達が…え?…………やっぱな、そうだと思ったわ。でもちょっとこれはねえだろ。……ああ……そう……いやもういいけど。
…………いや怪我してるから病院つれてかねーと。…………いやいねーだろ。………電気とおってねえし。………はぁ?………」
相当うろ覚えだが、そんな調子でCは話し続けてた。

C「いやもういいってそういうの。…………いいっつってんだろ。しつけーな…………だからしつけーよお前いい加減にしろや!……あ?もしもし?」
はたから見てもかなりイラだった様子で舌打し、Cは乱暴に携帯をしまった。俺を睨むように見ると。

C「オメーらマジいい加減にしろやオイ」
俺「は……?」
C「Bからかかってきてんだよ今の電話」
もうこのあたりから俺は殆ど何も考えられなくなってきてた。

もう何がなんだか本気でわかんなくて、Cはまだ何か言ってた気がしたけど
目がまわってそっからのことは憶えてない。
その後のことは全部Cに聞いた。