親子喧嘩で顔にアザ作るか?ってその時点で少し腹立って、
しかも勢い余って飛び出した実家は軽く新幹線の距離だと言う
ひたすら鈍行を乗り継いで、持ってるお金で来られるところまで来たらしい
あと数日どうにかなるお金はあるから、
顔の傷が治ったらスナックやキャバにでもいく予定らしい
嫁の所持品はほんの少しの化粧品と、ほんの少しのお金だけだった
けど化粧品とお金持って出てくる余裕があったんなら、
なんでコート着てないんだって聞いたら、寒そうにしてたホームレスにあげちゃったんだと
女は手段選ばなければコート一枚くらいすぐ買えるけど、
ああいう人はそうじゃないでしょって笑う嫁は天使かと思った
とりあえずそういう予定ならせめて怪我が治るまでうちにいること、
申し訳ないと思うならご飯作ってくれたらそれでいいって提案した
今みたいにレディーススペースとかなかった時代だから、
満喫で女の子が寝泊まりするなんてとんでもないって説得した
気になるなら俺は適当にいろんな部屋渡り歩くからって
一時間くらい押し問答して嫁が折れた
最初のうちは妹が来てるってことにして、
同じアパートのいろんな奴のところ泊まり歩いた
大学行ってバイトして、帰ったら嫁が飯作ってくれてる生活
廃棄目当てでコンビニでバイトして、3食コンビニ食だった俺からしたら天国だった
俺の母親はメシマズ寄りのフツメシの和食党だったから、
メシウマの嫁(洋食党)の作る料理は食べたことないものも多かったけど、どれもうまくて幸せだった
嫁の怪我が綺麗に治る頃、ずっといてくれないかって言った
その頃になると最初こそ無口で必要以上喋らなかった嫁も、
口数は最初に比べたら多くなってた
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