119 :名も無き被検体774号+:2016/05/24(火) 00:14:43.22 ID:p3bqIAaR
リア充は今にも消えそうな声で
「遅れてごめん」と言っていた。
するとクラスのあちらこちらから罵声が飛んできた。
そして1人の男子生徒がリア充の前まで歩いていくと、グーで思いっきりリア充の顔面を殴った。
吹っ飛ばされて倒れたリア充に、またほかの男子が暴言を吐きながら何度も蹴りを喰らわせていた。
すぐに廊下から先生が飛び込んできて男子生徒を止めた。
リア充は何も言わずに嗚咽していた。
先生が「大丈夫か?」と言いながらリア充を立たせると、誰かが
「そいつにかける情なんていらねえよ」と言ったのをよく覚えている。
リア充は泣きながら「助けて」と言っていたが、
周りの生徒は
「助けてほしいのはこっちだ。」
「なに被害者面してんだよ、5人も殺しておいて。」
なんてことを言っていた。
先生が「お前たちなあ!」と声を荒げたところで高木が
「先生、リア充が何か言いたいことがあるそうですよ!」
と叫んだ。
120 :名も無き被検体774号+:2016/05/24(火) 00:27:38.74 ID:p3bqIAaR
リア充は先生の手を振りほどくと、会議室の真ん中にやってきた。
そのままボロボロと涙を流して口を開いてはいたが、言葉が出ないようだった。
その間も周りからは
「泣きたいのはこっちだっての」
「言いたいことがあるならさっさと言えよカス」
と心無い言葉が浴びせられていた。
俺はリア充を少しかわいそうだと思った。
それだけのことをしてしまったのは事実だもあるが。
リア充は膝をついて土下座をした。
泣きながら何度も「ごめんなさい」と謝っていた。
みんなをこんな目に合わせるつもりはなっかった。
ふざけ半分であんなことをしてしまったことを後悔している。
亡くなってしまったクラスメイトや担任に合わせる顔がない。
みたいなことを言っていた。
リア充を見る視線は相変わらず冷たかったが、女子の中には
「もういいよ、もうやっちゃったことなんだじゃら一緒に対策を考えよう」
というやつもいた。
俺はリア充のことを絶対に許すことができない。
でもこのときは悪気のなかったリア充に同情していた。
121 :名も無き被検体774号+:2016/05/24(火) 00:44:45.68 ID:p3bqIAaR
結局なんやかんやでリア充を責めるのはやめて、話し合いが再開した。
先生にはもう大丈夫だと伝えて廊下に戻ってもらった。
話し合いとは言っても松坂の説明だ。
仮に儀式を行って女が来た場合、そう簡単に願いを取り下げてもらえるだろうかという話になった。
それに関しては松坂もただ「取り下げでお願いします」と言っても可能性は低いだろうと言っていた。
それならそれ相応の代償をまた払えばいい。女が納得できるだけのキャンセル料を出せばいいと松坂は言った。
神相手にそんな話が通じるだろうかとも思ったが、クラスメイトはみんな納得していた。
文章ではなかなか伝わらないと思うが、松坂の話にはなぜかすごい説得力があった。
話の内容はとてもオカルトだが、論理的な話し方、考え方をしているからだと思う。
クラスの空気はもうほぼ儀式をやる空気になっていた。
122 :名も無き被検体774号+:2016/05/24(火) 00:50:29.38 ID:JA+LOOVU
おお
123 :名も無き被検体774号+:2016/05/24(火) 00:50:51.59 ID:OC4bdXLX
楽しみにしてるぜ
124 :名も無き被検体774号+:2016/05/24(火) 00:51:15.10 ID:JA+LOOVU
読み物として面白い
125 :名も無き被検体774号+:2016/05/24(火) 00:57:58.37 ID:p3bqIAaR
しかしまだ一番重要な代償に何を出すのかが決まってなかった。
リア充が「俺の魂を払ってもいい」と言っていたが、松坂にあっさり断られていた。
仮にリア充の魂を代償にして平穏な生活が戻ったとしても、魂を取られたリア充が無事でいられるとは思えない。
そこでリア充が死んでしまったら、それはもう平穏な生活とは言えないだろう。
そうなれば神は平穏な学校生活という約束を守れなかったことになる。
そうなったときに何が起こるかは見当もつかないから、少なくとも今ここにいるクラスメイトは全員生き残った状態で卒業しなければならないとのことだ。
でも魂レベルに大切なものってのは難しい。
キャンセル料だから魂までいかなくてもいいんじゃないか、と松坂は言っていたが、
同時に確実性をあげるなら大事なものに越したことはないとも言っていた。
そこで松坂はとんでもない提案をした。
126 :名も無き被検体774号+:2016/05/24(火) 01:09:40.27 ID:p3bqIAaR
今日中に全部書きたかったのですが、眠気に勝てなそうです。
また明日の夜か、明後日の夜に来て書いていきたいと思います。
127 :名も無き被検体774号+:2016/05/24(火) 01:14:17.86 ID:+hC2PFOp
乙
137 :名も無き被検体774号+:2016/05/24(火) 21:35:29.27 ID:1kKquDYn
この女の霊は今「神様」という事になってるけど、スレタイ見る限り神ではなく実は「悪霊」な訳だよな
138 :名も無き被検体774号+:2016/05/24(火) 22:13:14.92 ID:KmWjW1Cg
>>137
いや、儀式で召喚されたのはまぎれもなく神様であって、この女は約束どおりクラスに刺激を与えるために送り込んだたくさんいるうちの悪霊の一体って説はどうだろう
139 :名も無き被検体774号+:2016/05/24(火) 22:21:04.83 ID:1kKquDYn
>>138
だとしたら、今、女の霊を相手に交渉しようとしてるのが全て意味のない事になるな
155 :名も無き被検体774号+:2016/05/25(水) 21:29:55.82 ID:MDxlPpj+
>>1です。
今日もあまり時間がないのでかけるところまで書いてきます。
松坂の案は、
100年分の寿命をクラスみんなで割り勘して、代償を払おうということだった。
なんとなく松坂の言いたいことは伝わるが、いまいちピンとこない。
松坂の案は、
この場にいるクラスメイト31人で、一人3年ずつ寿命を差し出す。
でもリア充が多く代償を払ったほうがみんな納得できるだろうから、
リア充だけ差し出す寿命は10年。
30人で90年と、リア充で10年。
俺たちの寿命合計100年を代償として払う。
寿命は魂に比べればランクが落ちるかもしれないが、キャンセル料としては十分なんじゃないか、
と松坂は言った。
たとえば俺が100歳まで生きる予定だったが、実際は97歳で死ぬ。
そういわれるとなかなか良い案だと思った。
これが成功すれば、ほぼ間違いなく卒業まではこれ以上犠牲を出さずに過ごせるだろう。
また、高校生の俺たちにとって老後の三年なんて想像できなかったこともあり、
クラスの全員がこの案にのった。