しんみりと、互いに手を握ったり、笑い転げるようにして肩を叩きあったり、
昨年までとは、打って変わった楽しげな年越しそばを食べ終え、300円を支払い
「ごちそうさまでした」
と、深々と頭を下げて出て行く3人を、主人と女将は1年を締めくくる大きな声で、
「ありがとうございました! どうかよいお年を!」と送り出した。
また1年が過ぎて――。
北海亭では、夜の9時過ぎから「予約席」の札を2番テーブルの上に置いて待ちに待ったが、
あの母子3人は現れなかった。
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