俺が小学校6年生に進級したときの話。
6年生初日の登校日。
特にクラス替えもなく見慣れた顔触れで
「春休み短かったよな~」とか「FFの裏ボス倒したぜ」とか
いつも通り友達と会話をしてる所で教室の扉が開き、先生が入ってきた。
「あ~、やっぱりまたふるっち先生かよ~」
「うるさい。大体お前らわかってただろ?うちは二年ごとに受け持つ学校なんだから」
「先生の顔見飽きた~。」
先生自身も全員去年と同じ顔ぶれなので特に気張って挨拶もすることもなく
「今年もよろしく」程度の挨拶を済ますとだらけてた先生の顔が一瞬引き締まる。
「今日から転校生がきたんだ。いいか?みんな仲良くしてやれよ~」
「わかってるよ~。席が一個多いもん!男?女?」
「焦るな。今、紹介する。坂倉~。入ってこい~」
クラスみんなの視線が扉に注がれる。
横に座ってる山田花子を7~8発蹴られたような顔したブスは「出会いの予感♪」などと、
狂おしいほどにイカれた言葉を汚い口から吐いたのを覚えている。
扉が開き一人の少年が下を向いたまま入ってきた。
髪が無造作というよりかは、むしろぐちゃぐちゃといった表現が近い
耳まで伸ばした黒髪に、二重でやや釣り上がり気味の目。
顔は面長で細く引き締まり、やや大人びた顔立ち。
キツネ顔のホストのような男にクラスの連中は目を奪われる。
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