油田が会計を済ませると
どちらからともなく一緒に店を出て並んで歩いた。
マンションまで10分程度。
俺の頭は話題を探すのにグルグルと回転していた。
73: :2008/06/17(火) 08:17:28.70 ID:
2人で歩きながら油田はボソッと
「あそこで注意する点は・・・ないですね」と言った。
ああ。そうなのね。もっと早く答えて欲しかったよ。
川沿いを歩く。
土手には桜が植えられていて、この時期は夜桜が綺麗だった。
俺は今後、幾度となく通るこの川沿いを歩きながら
この街に決めて良かったなぁ等と考えていた。
俺は隣を歩くオタクに話掛けた。
「ウチさぁ。まだテレビ付けて無いから暇なんだよねぇ」
俺はほんの世間話程度のフリだった。
しかしその瞬間油田のメガネの奥が一瞬キラリと光った。
「それじゃ・・・ウチに遊びに来ます?」
74: :2008/06/17(火) 08:19:05.95 ID:
アーッ
77: :2008/06/17(火) 08:22:14.02 ID:
マジかよ!?そんな社交性あるの?このオタク。
「え・・・ああ。そうだね・・・」
ダメだ。不意を突かれすぎて上手い断り文句が出て来ない。
「マンガも結構ありますし、気に入ったのがあれば貸しますよ」
なおも油田はガンガン押してくる。
冷静な時なら「片付けが済んでないから」等の言い訳も思いついただろう。
しかしこの時の俺は
「じゃ・・・少しだけお邪魔しようかな?」と答えていた。
言った瞬間激しい後悔が押し寄せてきた。
「ゆっくりしていって下さいよぉ」
粘っこい口調でそういった油田は不気味な笑顔を浮かべていた。
81: :2008/06/17(火) 08:26:10.41 ID:
こっからどうやってまりあに持って行くか楽しみだな
85: :2008/06/17(火) 08:30:27.72 ID:
俺と油田はマンションの入り口に到着した。
気が重い・・・。
2人でエレベーターを待ちながら考える。
なんでこんなことになったんだ?
どこにミスがあったんだ?
すると到着したエレベーターから女の子が降りてきた。
新田さんだ!
続きは次のページで!