大きめのジャンパーの袖から見える指先がかわいかった。
「はぁ~ 暖かい」
いつもの世間話をしながら、
玄関に下ろしたクーラーボックスから冷たい指で冷たいヤクルトを渡してくれた。
オツリを数えようとする白い指先は少し震えていて、血の気がないのがわかった。
佐藤さんは口を覆うようにして自分の手に息を吹きかけ、こすり合わせた。
どうしてこの人はこうも俺の萌えツボを刺激するのがうまいのか。
「ごめんなさい、かじかんじゃって」
「どれどれ、うわー手ぇ冷たいすね」
俺はわざとらしく佐藤さんの両手で佐藤さんの手を握った。
「うわ、俺さんの手暖かいですね。熱い!(笑)」
「佐藤さんの手冷たい!」
お互い笑いながら、俺は佐藤さんの手を温めるようにして強めに握った。
「はー、もうすこしだけこうしててもらっていいですか?」
仕事のときは丁寧語なんだが、逆にそれがツボに来るようになっていた。
「ずっとでもいいすよ」
今思い出してもア●ルがあったら入りたいくらい恥ずかしいセリフだった。
お互いの笑いが自然と止まった。
211:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/28(水) 16:05:14.05 ID:JVB5yKBI0
俺はまた理性が飛ぶ瞬間を意識した。
俺の煩悩が俺を操縦し始めた。
目を閉じかけるとき、佐藤さんが眼を閉じかけるのが見えた。
驚くほどナチュラルにキスをした。
握ったままの佐藤さんの冷たい指と同じくらい、唇も冷たかった。
唇が離れると、俺は手を握ったまま家に引っ張り上げた。
佐藤さんはあわててかかとで靴を脱いでいた。
俺は昼間に寝るから朝帰っても部屋の灯りはつけない。
厚い雪雲のせいで部屋は薄暗かった。
テレビドラマみたいに激しく絡み合いながら荒々しく服を脱ぎ捨てるとか、
そんな芸当は俺には無理で、
向かい合った佐藤さんのボタンをひとつずつはずした。
手が震えて指先に力が入らなかった。
佐藤さんはちょっと顔を赤くしてじっとそれを見ていた。
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