お婆さんの内職は保護を受けてると働いた分全額は貰えなくて、そんなに収入は増えなくて。
けど彼女とお婆さんにとっては大きな額で、食費でギリギリな生活は脱してた感じ。
でもその年初めて息が白くなった日でも暖房とか使って無くて。と言うか、無くて。
学校帰ってきて内職中のお婆さんとこ顔出したら何か薄物を重ね着してて、寒そうで。
慣れてるとか言われても心配で、使ってなかった綿入りの半纏持っていった。
あげると言うと絶対に断るだろうから貸すと言って押しつけたら、喜んでくれて。
でも「あの子、やきもちやかないかね。」とか心配してて、実際そうなったみたいで。
帰ってきた彼女はいつも通りにドア叩いて、開いてるって言ったら黙って入ってきて。
すぐ俺の横来て、座ったと思ったら黙ってじーっ…とこっち見つめてて。
その目で暫く固まってたら、わしっ、と腕掴んで。ちょっと揺さぶられて。
「おばーちゃんにだけですか?」って口尖らせて。その表情がやたら子供っぽくて。
それまで年や背格好の割にはしっかりしてて大人びた印象だったから、ちょっと意外で。
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