703 :1 :2012/08/10(金) 20:14:37.07 ID:Z/us+aeL0
エントランス付近のベンチに座って青空を待ちます
行き交う人々は、みんな幸せそうに見えます
実際、ここを訪れるような人は、ある程度裕福で、
「余計なこと」に金を割く余裕のある人たちです
子連れの客が多く、どこの子供も、
絵本の中から出てきたような感じです
立派な服、整った顔立ち、綺麗な体つき
彼らの将来を考えて、自分の現状と比較し、
僕は勝手に落胆して溜息をつきます
704 :1 :2012/08/10(金) 20:19:48.10 ID:Z/us+aeL0
いつの間にか青空が脇に立っています
「さ、いきましょう」と青空は言います
何をしていたのかは聞かずにおきます
エレベーターが混んでいる様子だったので
いつも見るものより数段長いエスカレーターに乗ると
青空は壁に貼られた注意書きを指差しました
「黄色い線の内側では手を繋いでください、ですって」
「お子様と手を繋いで黄色い線の内側に、な」
「似たようなものです。私、年下ですから。
ほら、黄色い線の内側ですよ」青空は手を差し出します
僕はその白くて細い指をそっと握ります
すかさず青空がぎゅっと握り返してきます
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