51 :名も無き被検体774号+ :2012/07/23(月) 13:37:07.69 ID:Ngo8f8dj0
たかだか数百円のカップラーメンを
汁も残さず食べきった卑しい標的は、
自分が死にたがっていたことも忘れて
手摺に肘を乗せて、街を見下ろして
「きれいー」とはしゃいでします
物を考える力がなくなっているらしく
普段のように表情に抑制がありません
向きを変えようとして、足を絡ませて、
おもいっきり笑顔で転んでいます
52 :名も無き被検体774号+ :2012/07/23(月) 13:48:27.84 ID:Ngo8f8dj0
「ところで、私のこと、殺さないんですか?」
標的は振り返って僕にたずねます
僕は説明しようとしますが、上手く言葉が出てきません
僕自身も物を考える力がなくなっていました
標的は八時間歩いて疲弊しきっているわけですが
こちらとしても、八時間標的を歩かせ続けるのは
自分で歩くのと同じか、それ以上に疲れるものなのです
53 :名も無き被検体774号+ :2012/07/23(月) 13:58:30.99 ID:Ngo8f8dj0
面倒なので、いったん標的を家に帰すことにしました
今日のところは、飲み食いする喜びを
身体に叩き込むだけで勘弁してやろう、というわけです
僕が手招きすると、標的は黙ってついてきました
よく分かりませんが、従順で扱いやすい子です
どうせ操られるだろう、という諦めでしょうか
僕たちはふらつきながら螺旋階段を下りました
車のドアを開けて、運転席に乗り込むと
突然、猛烈な眠気に襲われました
続きは次のページでご覧ください!!