男「……それ、お前の杖だろ」
女「こ、これあったほうが何かと便利でして」
男「……? 人の話聞いてる?」
女「……!」こく こく
男「……(コイツ、やっぱりまだショックで……)」
男(むぅ、こりゃ相当頑張らないと、女に立ち直ってもらうのは難しそうだな)
262:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/06/12(火) 09:08:30.97 ID:/jBI1+iy0
男「そういや、お前メシ食ってきた?」
女「う、ううん。ご飯は食べてないよ」
男「お、ちょうどいいや。俺もまだ食ってないからさ」
男「軽くどっかでメシにして……その後、色々回ろーぜ」
女「……」こく
男「この時間から開いてる店なら……あっちの通りだな。よし、行くか」スタ スタ
女「あ……お、男くん……!」ふら カッ ふら
男「あ……」
263:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/06/12(火) 09:19:54.65 ID:/jBI1+iy0
男(そ、そういえばそうだった。慣れてる学校と違ってここは外だからな)
男(俺と一緒だからって、目的地がわからないのに一人で歩けるわけないよな……)
女「……お、男くん?」キョロ キョロ すん すん
男「ちゃんと横にいるよ(あとニオイはやめろ!)」
男「女、今日は俺の服掴んでろ。そっちのほうが歩きやすいだろ」
女「え……あ、あ、あの……」
男「ほら、ここ。別に引っ張ってもいいからさ(どうせ安物だし)」
女「あ、あり……がと、です///」ギュッ
264:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/06/12(火) 09:34:15.83 ID:/jBI1+iy0
男「ふぅ、思った以上にあちこち歩いたな……もうちょっと時間あるけど、最後どっか行くか?」
男「女の行きたい場所があればそこにするけど(……いかん、かなり眠くなってきた)」
女「んー、えと、私はどこでも――」
男「……ふわぁ~~……」
女「……」
男「あ、す、スマン。き、昨日あんま寝れなくてさ……つい欠伸しちまった」
男「そ、それよりほら、女の行きたいとこだよ。どっかないのか?」
女「……」
女「じゃ、じゃあ、私……映画館に行きたい」
男「……映画館?」
265:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/06/12(火) 09:37:45.00 ID:/jBI1+iy0
男「映画って、お前……(目……)」
女「……すっごく小さい頃、まだ目が見えてた時にね、お母さんがよく連れて行ってくれたの」
女「こんな機会ないから、もう一度映画を『見たい』なーって」
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