A子「だよねぇ。あたしもアクセルとブレーキぐらいしか分かんないしぃ。」
非リア「でも、DQNはバイクを買うために60万貯めてたのに、それでもまだ買ってないって事は、新品は60万より高いワケだよね。」
A子「多分そうだろうねぇ。」
非リア「お兄さんは、このバイクはもう・・・」
A子「うん、もういらないからくれるってぇ。修理でも改造でも勝手にして良いって。」
非リア「よしっ。じゃあ、このバイク、修理に出そう。20万も大金だけど、それぐらいなら短期のバイトで何とかなる。」
A子「DQN、受け取ってくれるかな?」
非リア「きっと受け取ってくれる。DQNはああいう性格だから、きっとお金では受け取ってくれないと思うんだ。『気持ちだけもらっとくわ』とか言ってね。だから、もういっそ、バイクっていう“形”にして渡した方が良い。僕は免許持ってないから、『お前が乗れよ』とも言えないだろうし。ちょっと押し付けがましいけど、僕がDQNにできる事なんて、これぐらいしかないんだ。」
A子「“これぐらいしか”なんて言っちゃダメだよ。」
非リア「えっ?」
A子「どこの世界に友達の為にバイトしてバイク直そうなんて人いんのぉ? すっげぇ事じゃん。アタシぃ、それ死ぬ程カッコイイと思うなぁ。」
非リア「いや、カッコよくないよ。こんな方法しかできないんだもん。むしろカッコ悪いよ。」
A子「そのカッコ悪さがカッコイイんじゃん。分かってないなぁ。」
非リア「ん~・・・」
A子「まぁ、良いけどねぇ。そんでさぁ、バイトの話だけどぉ、あたしもバイトするからぁ、修理代ぃ、割り勘にしようよぉ。」
非リア「えっ?」
A子「半分ずつ出し合ってぇ、残ったお金は自分らで使おぉ。」
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