52: 名も無き被検体774号+ 2014/03/12(水) 08:39:43.01 ID:zSMs1Lti0
先生がからからに乾いたような笑い声をあげて、それですべてが終いになった。
月の反射光を歪ませながら、先生はゆっくりと僕のほうへ歩いてくる。
波に背を押されるに任せているだけのような、ゆっくりとした歩みだった。
すれ違いざま、僕の横に並んで、彼女は耳打ちするかのように囁いた。
「冗談だよ」
たぶん、本当に冗談だったのだろう。
なにせ今の彼女は、冗談のように生きて、冗談のように死ねる女だ。
なんて迷惑な女だ。
あるいは、僕が彼女のところまでたどり着けていたら、
彼女は僕と一緒に、冗談で死んでくれていただろうか。
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