ザバババババッ
サメ「着いたぞ。ここが奴らのいる屋敷だ」
サメ「オレはあまり陸では動けんから手伝うことはできん……許せ」
男「ここまで来れば大丈夫!」
男「俺が必ず彼女を取り戻してみせる!」
サメ「フッ、期待しているぞ」
― 屋敷内 ―
黒服A「き、貴様は!? もう追いついてきたのか……」
男「彼女を返せ!」
黒服A「そういうわけにはいかんな……」
黒服A「我らのボスは健康食品の類が大好きでな。あの女はサバの水煮缶となるのだ!」
男「……だったら戦うまでだ!」
黒服A「ちなみに貴様、身長はいくつだ?」
男「170cmだ!」
黒服A(なるほど……ならばこの間合いで戦えば相手の攻撃は届かない!)ササッ
男「でりゃっ!」
バキィッ!
黒服A「がふっ! ……な、なぜ!? この距離、身長170cmの手足では届かないはず……!」
男「実際には173cmだ」
黒服A「油断させるためにサバを読んでいたということか……」ガクッ
黒服B「てめえはさっきの!」
男「さっきはよくもやってくれたな……今度はこっちの番だ!」
黒服B「ふん、また同じ目にあわせてやらぁっ!」
男「むんっ!」ガシッ
黒服B「ぐえっ!?」
黒服B(く、首を絞められ……!)
男「これが……“絞めサバ”だ」
黒服B「つ、つええ……」ガクッ
男「お前がボスか!」
ボス「ほう、よくここまで来れたな……褒めてやろう」
サバ「来てくれたのね!」ビチビチッ
男「彼女を返せ!」
ボス「いいだろう……返してやる」
ボス「ただし……私を倒せたらなァ!!!」
ボス「ゆくぞ!」シュバッ
ガッ! バキッ! ドカッ!
男「は、速い……!」
ボス「フフフ、日頃から健康食品を食べまくっている私に敵はない!」
ボス「死ねぇい!」
バキィッ!!!
男「ぐは……っ!」
サバ「いやぁぁぁっ! やめてぇぇぇっ!」ビチビチッビチビチッ