161:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします: 2018/08/07(火) 22:43:12.577ID:oSFGIGGf0
標高3000メートル以上の場所から見る夜景。
初めてこんな高いところから見る街の灯りは僕達の心を少し癒してくれました。
でももうこの時には写真なんてどうでもよくなっていました。
レンズを割った絶望も。
写真が撮りたい!
それを第一目標にしていた僕。
イーファンとカレンと出会い
この3人で山頂にたどり着きたい!
それしかもう頭にはありませんでした。
そして最後の休憩を終え歩き出します。
165:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします: 2018/08/07(火) 22:48:43.193ID:oSFGIGGf0
人混みの中を3人で登っていると
大混雑なうえ、道が狭いので間に入られてしまうことがしばしば
キャプテンカレンとはぐれてしまいまいた。
そして僕とイーファンの間にも人が、、、
イーファンは僕の前を歩いていたので気が付いていないです。
まあすぐ追いつけるか!
一人くらい。
しかし、次から次へと間に入られてしまい
ついにイーファンがどこにいるのかすらわからなくなってしまいました。
ただ分かることは、僕が一番最後だということ。
イーファンとキャプテンカレンと離れ、一人に戻った私。
166:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします: 2018/08/07(火) 22:50:31.138ID:oSFGIGGf0
さっきから思ってたけどめっちゃ寒い。
震えが止まりません。
標高3400メートル以上の場所で、七分丈シャツにTシャツ
見ての通りこんな格好をしているのは僕だけです。
ちょっともうみんなとはぐれてしまったし
とりあえず上着を着よう!
モンベルさんの中綿ジャケットを着るとすぐに体温は回復!
そしてすぐにまた歩き出すが、全然進まない!
頼む!早く行かせてくれ!
そう神に願ったけれど、
ここにいるみんなは最初から御来光を見に来ている。
みんな同じ気持ちなんだ!
焦って周りに迷惑をかけたらいけないし、事故があってはいけない。ここは耐えよう!
少しずつ進む列に身を任せるしかありませんでした。
169:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします: 2018/08/07(火) 22:52:27.358ID:oSFGIGGf0
無情にもあたりは明るくなり
岩場の道、人々の顔、服装も鮮明に見えてきました。
あちこちで諦めて座り込む人
それはまるで地獄のような
これが富士山の厳しさか。
絶景を見つめながら
何とも言えない虚しさに襲われました。
山頂まではもうあと少し!
手を伸ばせば届きそうな距離なのに
171:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします: 2018/08/07(火) 22:55:18.998ID:oSFGIGGf0
そして僕は山頂まであと5分のところでひとりで御来光を迎えてしまいました。
これが御来光
みんながこの為に
こんなに厳しい道を上ってきてまでみたいもの
途中で諦めてしまった人
もう帰ろう
なんてさっき言っていた人も
みんなこの瞬間は同じ方を向いて
同じことを思っていたはずです。
たぶんみんな疲れているから頭なんて回らない人がほとんどです。
そんな状態だからこそ御来光の光がストレートに入ってきて、
あの場にいた全ての人がそう思ったはずです。
176:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします: 2018/08/07(火) 23:00:17.055ID:oSFGIGGf0
それからすぐに山頂に到着すると
挙動不審とはまさにこのこと
と言わんばかりに
キョロキョロキョロキョロキョロキョロキョロキョロキョロキョロキョロキョロ
もうチョコボールのキョロちゃんもびっくりするくらい
キョロキョロキョロキョロキョロキョロキョロキョロキョロキョロキョロキョロ
完璧に変人と化していけど全然見つからないww
なんてったって人がすんごいんだから!
しかも山頂言っても、山頂広い!!
ここはロシアか!って言いたいほど!
やっぱりもう会えないかあー
とりあえず自販機あるから給水しよう!
1本400円も何ら気にせず購入。
思い返すと、昨日のお昼からこのあと下山するまで24時間何も食べず
500mlのペットボトルの水1本で富士山を登っていました。
そして財布をしまおうとしたその瞬間!!!
「ショウ?」
177:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします: 2018/08/07(火) 23:02:49.657ID:oSFGIGGf0
声のする方を見ると
何やらとってもイケメンのお兄さんがいるではありませんか!まじイケメン
誰だこれは?
ロシアのスパイか?
なんて驚きながらも
僕「ああ!イエス!イエス!クリスティアン?」
イケメン「No、no!んvsdhbgvskhv」
ちょっと何言っているかわかりません。
クリスチャンてキャプテンカレンの旦那さんね。
キャプテンカレンの旦那さんかと思ったのです。
178:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします: 2018/08/07(火) 23:04:40.970ID:oSFGIGGf0
僕「あ、あれ、もしかして行くときにピステあげた人か!ああ!」
イケメン「違う違う!ああ、日本語大丈夫?」
僕「あれ?日本語しゃべれるの?」
イケメン「うん。さっきまで一緒に登ってきた人いましたよね?」
僕「イーファンとキャプテンカレン!」
イケメン「そうそう。2人があなたを探していた。探してくれと言われました。あっちの上の方にいるから行ってみてください!」
僕「えええええ!まじですか?あっち?あの辺にいるの!?テンキュー!!!」
日本語ペラペライケメンがまさかの僕を発見してくれたという奇跡
それにしても何故会ったこともない僕を見つけられたのだろうか?
なかなか言葉だけの説明で人を見つけるってすごいよ!
とにかく!!!
また2人に会えるんじゃないか!
その気持ちで超ハッピーになってニヤニヤが止まらない!!!ww
180:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします: 2018/08/07(火) 23:09:08.550ID:oSFGIGGf0
ひとり山を歩きながら笑うwwまじ変質者www
でも最高のワクワク感!!!
キョロちゃんのように!
2人を探す!
ええ、
全然いないではないですか
まさか奥の方の?反対側の方とか?
ロシアのスパイ嘘ついたのか?
とか思っていると!!!
この辺で一番高いであろう場所に!!!
2人をついに発見!!!
わあああああああ!!!
181:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします: 2018/08/07(火) 23:12:18.731ID:oSFGIGGf0
思わず更に笑みがこぼれる!!!
僕「イーファン!!!キャプテンカレン!!!」
涙がでるくらい嬉しかった
僕「もう会えないと思ったけど、あっちでイケメンお兄さんが~~~
たぶん日本語で話していましたw
また会えたことが本当に嬉しくて、嬉しくて
泣きそうでした。
僕のゴールはここにしかなかったです。
イーファンとカレンと
山頂にたどり着きたい!
最初は夜景と星を撮ろうと初めての富士登山を決意し
全く人がいないところから余裕かましてのスタート!
途中で新品のレンズを割り、萎えていたところでイーファンとキャプテンカレンと出会い
3人で辛い道を登ってきました。
富士山は僕が想像していた何倍も、何十倍も過酷な山で
自分も含め
苦しんでいるたくさんの人を見てきました。
レンズを割って絶望していました。
身体もかなり疲労が来ていました。
でも、
182:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします: 2018/08/07(火) 23:16:31.848ID:oSFGIGGf0
でも、
数時間前に出会った2人が僕をここまで連れてきてくれました。
一人だったらもしかしたら下山していたかもわかりません。
何が嬉しいって
離れてしまっても
2人が僕を探してくれていたことが本当に嬉しかった。
僕はイーファンとカレンとは、
人種
国籍
言葉
年齢
全てが違い簡単なコミュニケーションをとるのも難しいです。
でもそんなこと
全く関係ないと気付かされました。
3人でひとつのことを目指して登ってきた道。
助け合って楽しく歩んできた道。
僕がアホだから言葉はわからないかもしれないけど、
励まし合ってきた気持ちが
支えあってきた気持ちが
僕の足を前に、僕の気持ちを前に進ませてくれました。
183:以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします: 2018/08/07(火) 23:18:19.746ID:oSFGIGGf0
僕達の間には
家族のような絆が生まれていました。
今こうして山頂から
イーファンとキャプテンカレンと一緒に見ている景色を
僕は一生忘れないでしょう。
こんな得体の知れない奴に
英語も分からない奴に
優しくしてくれて本当に感謝です。
「ダンケシェン!」
思い出したように僕は言いました!今更ww
「写真を撮ろうよ!」
雲の遥か上で、朝日を浴びながら最高の写真を一緒に撮りました。