261:C菜の夢 ◆OATxHqmYYE :2013/05/01(水) 00:06:45.99 ID:Cf9Z2/cF0
???「なーにブツブツ言ってんの?」
俺「うわっ!!な、なんだ○○か」
彼女「えへへー、驚かせちゃった?」
突然の登場に面食らったが、そこには彼女が立っていた。
俺が机に向かってブツブツ言ってるのをずっと観察してたらしい。
なんという悪趣味な・・・。
262:C菜の夢 ◆OATxHqmYYE :2013/05/01(水) 00:08:16.75 ID:Cf9Z2/cF0
俺「あ、そうだ!」
俺は彼女に協力して貰うことにした。
彼女「んー?」
俺「加奈子さんの噂って前に○○が教えてくれたよな、それについて詳しく知ってる人を探して欲しいんだ」
彼女「えー、何で?全然興味無さそうだったのに」
俺「ん、まあ、ちょっと色々とな」
彼女「いいよー!探しておくね」
俺「サンキュー」
彼女は顔がかなり広い。これで新しい情報も入ってくるかもしれない。
264: 忍法帖【Lv=3,xxxP】(1+0:8) :2013/05/01(水) 00:11:32.97 ID:eClcYjkM0
心臓バクバク(^_^)
265:C菜の夢 ◆OATxHqmYYE :2013/05/01(水) 00:11:59.83 ID:Cf9Z2/cF0
俺は俺で行動を移した。
翌日から、クラスメートを含め、様々な人に噂について聞いたが、芳しい結果は得られなかった。
校内の知人という知人に話を聞いたが、噂は聞いたことがある、という程度の情報しか得られなかった。
~組の○○さんが居なくなったとか、○○さんが夢を見たらしい、等は聞けたが
あまりにも信憑性に欠ける。
267:C菜の夢 ◆OATxHqmYYE :2013/05/01(水) 00:14:10.41 ID:Cf9Z2/cF0
そんな八方塞の中、知人からとある人を紹介された。他校のD男という男だ。
オカルト研究会に所属しているらしい。
自分の高校のオカルト研究会は訳の分からん新聞や冊子を作っていて
あまり近寄りたくないイメージだったが、背に腹には変えられないだろう。
しかも他校かよ・・・まあ仕方ないか。
268:C菜の夢 ◆OATxHqmYYE :2013/05/01(水) 00:17:09.77 ID:Cf9Z2/cF0
俺は知人にアポを取って貰い、放課後にD男の高校のオカルト研究会を訪ねる約束をした。
翌日、俺は放課後にD男の高校を訪ねた。
D男の高校は自分の高校からさほど離れておらず、電車ですぐの所だった。
俺「・・・・・・」
校門を前にして、俺は息を飲んだ。
なんというデカイ高校だ・・・。
うちの高校とは比較にならないほどの大きさ。
D男の高校は私服可なので、変に怪しまれることなく入れた。
269:名も無き被検体774号+:2013/05/01(水) 00:18:37.80 ID:uK8hBdBNO
おっ来てた
その噂の広まってる範囲が気になるな
271:C菜の夢 ◆OATxHqmYYE :2013/05/01(水) 00:20:44.53 ID:Cf9Z2/cF0
外見通り、高校の中も非常に広かった。
俺「サークル棟みたいなのあるかな?」
場所がサッパリ分からなかったので、近くにいた学生を捕まえて聞いてみた。
俺「あの、オカルト研究会ってどっちですか?」
学生「あっちだけど・・・、あんなのに入りたいの?」
俺「え?」
学生「やめたほうがいいよ、変なのばっかりだから」
俺「はあ・・・」
流石に偏見が過ぎると思うのだが・・・、とりあえず教えられた方向へと向かう。
272:C菜の夢 ◆OATxHqmYYE :2013/05/01(水) 00:22:24.81 ID:Cf9Z2/cF0
俺「ここか・・・」
オカルト研究会と書かれた札を見つけ、俺は中に入る。
俺「あのー、D男さん居ますか?」
???「ん?」
部室には一人しかおらず、中に居たモヤシのような男が返事をした。
いかにもオタクという感じ。
273:C菜の夢 ◆OATxHqmYYE :2013/05/01(水) 00:24:04.07 ID:Cf9Z2/cF0
D男「俺がD男だけど、何?入部希望かい?」
俺「え、いや、違うんです、○○の紹介で来ました」
D男「ああ!話は聞いてるよ!何でも面白い話があるんだって?」
あまり面白がられても困るのだが・・・。
274:名も無き被検体774号+:2013/05/01(水) 00:24:33.67 ID:rj7VJI4I0
マジ怖いわー
275:C菜の夢 ◆OATxHqmYYE :2013/05/01(水) 00:25:12.72 ID:Cf9Z2/cF0
俺は、うちの高校で広まっている噂についてD男に話した。
D男はうんうん、と頷きながら話を聞いていた。
ひとしきり話終えた後、D男が口を開いた。
D男「実に興味深い話だね」
俺「はぁ、そうっすか」
D男「あくまで私の推測になるが、加奈子さんは実在の人物の可能性もある」
277:C菜の夢 ◆OATxHqmYYE :2013/05/01(水) 00:28:05.71 ID:Cf9Z2/cF0
俺「えっ!?」
加奈子さんが実在の人物とは・・・どういうことだろう。
D男「では、順番に私が思ったことを話していこう。・・・そっくりな話にカシマさん、ヒキコさんという話があるんだが知っているかい?」
俺「いや、知らないです」
D男「これらの都市伝説は仮死魔霊子、森姫紀子っていうのが登場人物なんだ、加奈子さんと比べてみて何かに気付かないかい?」
280:C菜の夢 ◆OATxHqmYYE :2013/05/01(水) 00:30:38.07 ID:Cf9Z2/cF0
俺「うーん」
俺は考えてみた。
俺「何だか、加奈子さんの方が実際に居そうな名前ですね」
D男「そう、その通り、勿論理由はそれだけではないが、それは後に話そう・・・あ、座って聞いてくれ」
D男は俺にイスを促した。俺はイスに座り、話の続きを聞くことにする。
281:名も無き被検体774号+:2013/05/01(水) 00:31:11.73 ID:DxGB2wMi0
わくわく
283:C菜の夢 ◆OATxHqmYYE :2013/05/01(水) 00:33:24.54 ID:Cf9Z2/cF0
ああ、言い忘れてた、キャラの会話
特にD男との会話は
重要な部分は押さえてあるけど、昔のことでうろ覚えな部分が多い
ご勘弁ください
285:C菜の夢 ◆OATxHqmYYE :2013/05/01(水) 00:35:30.12 ID:Cf9Z2/cF0
D男「君が言った通り、仮死魔霊子や森姫紀子と比べて、現実にあり得る名前だ。更に言うと、噂のタイトルが片仮名ではなく、漢字で伝わっていることが面白い」
俺「と、言うと?」
D男「噂とは常に変遷していくもの、加奈子さんっていうタイトルじゃ、いまいちインパクトがないだろう?つまりは誰かが改変する前の可能性がある。そして、私はこの噂のある点に注目している。」
俺「ある点とは?」
D男「対処法だよ」
俺「対処法?」
287:C菜の夢 ◆OATxHqmYYE :2013/05/01(水) 00:36:43.91 ID:Cf9Z2/cF0
D男「そう、得てして怪異に出会ってしまうタイプの都市伝説は、何らかの対処法が確立されている場合が多い。カシマさんであれば質問に正しく答える。ヒキコさんなら、いじめっ子の真似をする等ね。他にも口裂け女や赤マント、赤いちゃんちゃんこ等も含まれる」
俺「はあ・・・」
D男「つまり、こういうことだ」
俺が理解していないのを察したのか、D男は紙とペンを使って説明してくれた。
288:C菜の夢 ◆OATxHqmYYE :2013/05/01(水) 00:38:00.17 ID:Cf9Z2/cF0
噂の発生→狭いコミュニティで広がる→仮の完成→外部へ広がる→面白い部分が抽出される→噂の完成
290:名も無き被検体774号+:2013/05/01(水) 00:39:01.05 ID:rdxYvd1NO
遠ざかってきてるし…
291:C菜の夢 ◆OATxHqmYYE :2013/05/01(水) 00:39:41.07 ID:Cf9Z2/cF0
D男「最初に狭いコミュニティで広がるのは、一笑に付すような話でも話やすい人が居ることによる、心理面からきている。
噂はやがて形作られ、仮の完成を持って外部へと広がって行く。そして外の世界へと旅立った噂は、想像力豊かな人達によって、改変されていく。最後に噂の完成だ。」
俺「うんうん」
D男「ここで注目すべきは、いつ対処法が作られるかだ、もし君が極度の恐怖症だったとしよう、噂を聞いてしまったらどうする?」
俺「うーん・・・どうすれば助かるのかを聞きますね」
292:C菜の夢 ◆OATxHqmYYE :2013/05/01(水) 00:41:17.87 ID:Cf9Z2/cF0
D男「そう、その通り。怪異に出会ってしまうタイプの都市伝説は、恐怖を煽ることが目的だ。ましてや対処法が無いのなら、必死に助かる方法を聞く人も居るだろう。
そこで、必ず優位に立ちたがる人が出てくる。これも人の心理だな」
俺「心理?」
D男「他人より目立ちたい、という欲求を持っている人間は多い。対処法が何も無い所に、対処法を知っているという人がいれば、耳を傾けるだろう?」
俺「確かに」
293:C菜の夢 ◆OATxHqmYYE :2013/05/01(水) 00:42:07.90 ID:Cf9Z2/cF0
D男「つまり、対処法が作られる要因は、人の優位に立ちたい、目立ちたい、チヤホヤされたい、と言った心理からきているんだ。
先ほどにも述べた通り、こういった恐怖系が苦手な人も多いし、目立ちたいという欲求を持っている人は非常に多い・・・つまり」
俺「対処方が確立されていない・・・と、言うことは加奈子さんの噂が出来たのは最近の可能性が高いと?」
D男「素晴らしいね!!オカ研に入らないかい?他校でも君なら大歓迎だよ!」
俺「結構です」
俺はD男の勧誘を軽くいなし、疑問に思っていたことを聞いてみた。
294:名も無き被検体774号+:2013/05/01(水) 00:43:21.88 ID:DxGB2wMi0
だれが流した噂かだな
295:C菜の夢 ◆OATxHqmYYE :2013/05/01(水) 00:43:22.16 ID:Cf9Z2/cF0
俺「何故、加奈子さんが実在の人物だと思ったんですか?」
D男「長髪黒髪でチェックのシャツにスカート、私はこの部分に注目したんだよ」
俺「と、言うと?」
D男「君は何も違和感を感じなかったのかい?」
俺「うーん」
俺はしばらく考えた後、率直な感想を言ってみた。
296:C菜の夢 ◆OATxHqmYYE :2013/05/01(水) 00:45:18.99 ID:Cf9Z2/cF0
俺「別にこの部分はいらない気が・・・」
D男「そうだ、恐怖を煽る都市伝説にしては、明らかに浮いている部分に思える。
そして、未完成の都市伝説にも関わらず、この部分だけが妙に細かい。勿論、この部分は噂が外部へと行けば淘汰される部分だろう」
俺「うんうん」
D男「他の部分とは違い、恐怖を煽る役割を果たしていない、そして未完成な初期の噂であり、それでも不自然なほどの細かさ。
つまりは、長髪黒髪でチャックのシャツにスカート、この部分は現実にある事柄を表していると考えられる。
更には加奈子さんというリアリティのある名前も含め、現実にモデルが居ると考えられるのが自然だ」
俺「なるほど・・・」
伊達にオカ研ではないと言うことか、D男の理論は納得出来る。
297:C菜の夢 ◆OATxHqmYYE :2013/05/01(水) 00:46:14.62 ID:Cf9Z2/cF0
俺「どこで生まれた噂かって分からないですかね?」
D男「それならば大体、察しは付いている」
俺「え?本当ですか?」
自身満々に言い張るD男に、俺は驚きを隠せない。
D男「君の学校だよ」
俺「俺の学校?」
299:名も無き被検体774号+:2013/05/01(水) 00:47:31.34 ID:lj268pVv0
よく出来てるな
300:C菜の夢 ◆OATxHqmYYE :2013/05/01(水) 00:47:32.71 ID:Cf9Z2/cF0
D男「そういった都市伝説の類は、得てして狭いコミュニティである程度形成されてから、外部に広まって行くのは先ほどに述べた通りだ。
それに、類似するタイプの都市伝説と比べて、細部の構成が出来ていない。
それでも、未完成のまま君の学校では広まっている。つまり・・・」
D男は大きくもったいぶってから言い放った。
D男「加奈子さんは実在のモデルが居る可能性が高い、噂が出来たのは最近、そして出処は君の学校だ」
俺「おお・・・」
俺はD男の理詰めに完全に圧倒されていた。
301:C菜の夢 ◆OATxHqmYYE :2013/05/01(水) 00:48:49.11 ID:Cf9Z2/cF0
これらのことから考えるに、噂の真相を探るには校内を中心に聞き込みをするべきだろう。
加奈子さんと言う人物が居ないか、そして最近何か起きたことはないか、これらも合わせて探っていこう。
俺は、丁重にD男に礼を述べ、部室を後にした。
302:C菜の夢 ◆OATxHqmYYE :2013/05/01(水) 00:50:32.74 ID:Cf9Z2/cF0
まず俺は、彼女に校内を中心に聞きこみをして欲しいと伝え、自分は校内にカナコさんという名前の人が居ないかどうかを探した。
しかし、これは難しい話で、一つ一つのクラスを回る訳にもいかないし
居たとしても、「可南子や香夏子」であったり一致する名前は居なかった。
そんな最中、怪奇が起きてしまった。