「そう。それじゃ明日までに香盤表よろしく」と志村は言った。
香盤表・・・なにそれ??
志村は席を立つと
「んじゃ俺帰るから。お疲れ~」と言葉を残し
部屋を出ようとした。
151: :2008/06/17(火) 10:49:39.11 ID:
「ちょ・・・待って下さい」
俺は志村を引き止めた。
ここは曖昧に出来ない。
言葉の意味すら分からないものなんて
引き受けられるわけがない。
志村はまたあの視線を投げかけてきた。
そう。汚いものを見るようなあの目。
「香盤表ってなんですか?」
やれやれといった様子で志村は答えた。
「撮影の順番だよ。それをスタッフが見て
次はこれを撮影すのか。って確認する表だよ」
それだけ言い残して志村は部屋を出た。
フリーなのでいつ帰っても誰も文句を言わない。
志村の声が聞こえる。
「赤松さん。それじゃ~また~」
おいおい。マジかよ。
マジで帰ったのかよ?
俺は途方に暮れた。
155: :2008/06/17(火) 10:57:25.77 ID:
実はいま考えても志村のこの行動は暴挙であった
香盤表というものは1つの撮影において
かなり重要なものである。
40人程度の全てのスタッフがそれを元に動く。
この香盤表が適当に作られたものだと
撮影終了時間が大幅にズレ込んでくる。
すると外部スタッフの費用や
スタジオ費用が大幅にUPしてしまうのだ。
かといってタイトにスケジュールを組んでも
あまりに無茶な香盤表だとスタッフに反感を買う。
ひどい場合には技術スタッフに殴られかねない。
香盤表を作成する作業は撮影を熟知し
なおかつ技術的に必要な時間まで理解しないと
到底作れるものではないのだ。
157: :2008/06/17(火) 11:05:10.88 ID:
かなりリアルな話だ こんな理不尽な上司終わってる
160: :2008/06/17(火) 11:10:45.79 ID:
ブラック会社に入社したんですね、わかります。
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