俺は18時に代理店へ台本を持って行く約束をしていた。
代理店は19時にスポンサーへ台本を持っていく。
・・・と言っていた気がする。
それを思い出した俺は更なる恐怖に襲われた。
ドクン・・・。また心臓が高鳴った。
それは正に言葉で表現仕切れるものではない。
今までに味わったことの無い恐怖としか言いようがない。
今日の19時に一体どんなことが起きていたのであろう。
スポンサーはもちろん怒り狂っただろう。
中小クラスの企業にとって新製品のVPは正に社運を掛けている。
社長クラスが打ち合わせに来ていたかも知れない。
少なくとも幹部クラスは確実に全員集合だ。
256: :2008/06/17(火) 14:11:32.80 ID:
そこに代理店の人間が行って
「すみません。台本が入手できていません」と言うのか・・・。
代理店の苦痛を想像すると死にたくなる。
そして・・・。
やがてその代理店の苦痛は怒りに変わり
制作会社に向けられる。
この仕事が飛ぶことすらあるかもしれない。
万一それを免れたとしても、その代理店からウチに仕事が来ることは
二度とないだろう。
260: :2008/06/17(火) 14:18:30.93 ID:
もはや俺のような新人が想像できる範囲の事態ではない。
いま乗っている電車から飛び降りて死にたい。
早く着いてくれよ!頼むから!
電車のスピードが異常にもどかしい。
たった3つの駅がこれほど遠いと感じたことは無い。
駅に到着した俺は改札へダッシュした。
自動改札へ定期を入れる時間ももったいない。
俺は駅員の窓口を駆け抜けた。
仮に駅員が何か言ってきても止まる気は無い。
俺は会社に飛び込んだ。
もう誰もいなかった。
俺は壁の電気を乱暴に付けると自分のデスクへ走っていった。
引き出しを引っかき回して目的のCD-DOMを持って
会社を飛び出した。
267: :2008/06/17(火) 14:27:43.85 ID:
時計を見る23時30分前。
常識的に考えてもう無理だ。
絶対確実に無理だ。
続きは次のページで!