約束の時間にドア叩いた彼女は、無地のTシャツにジーンズ姿で。どちらも少し、緩めで。
そのせいか、いつもより少し小さく見えて。髪も、その日は結んでなくて。
肩口までの髪、サラサラ遊ばせてて。そのせいもあってか、少し幼く見えた。
「おはよ。」「おはようございます。」そう言っただけで、すぐ出発して。
駅まで歩いて、朝八時四十何分だったかの電車に乗って、席取れて。
電車の中では、彼女は酔うのを怖がって、殆ど目閉じて、眠ってしまおうとしてて。
邪魔しない方がいいんだろうなと思って、話しかけるのはやめておいた。
特急乗って一時間半くらい。少し待って乗り換えて、汽車で四十五分くらい。
窓の外の景色がだんだん山奥になっていって。山と川と崖ばかりの風景になって。
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